2023年10月22日

ニッセイAMが超低コスト米国株式インデックスファンドを設定―指数使用料削減という古くて新しい手法

 

ニッセイアセットマネジメントが「購入・換金手数料なし」シリーズに超低コスト米国株式インデックスファンド「<購⼊・換⾦⼿数料なし>ニッセイ・S⽶国株式500インデックスファンド」を新規設定します。


設定日は11月13日。運用管理費用(信託報酬)は、驚きの年率0.05775%(税抜0.0525%)で、米国株式インデックスファンドとしては最安値となります。そして、米国株式インデックスファンドで運用管理費用0.05%台を実現するためにニッセイAMは、指数使用料の削減という古くて新しい手法を採用してきました。

「<購⼊・換⾦⼿数料なし>ニッセイ・S⽶国株式500インデックスファンド」は、米国株式指数として一般的なS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出する「S&P500」ではなく、ドイツのSolactive社が算出する米国株式指数「Solactive GBS United States 500インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動するインデックスファンドです。リリースにあるように「Solactive GBS United States 500インデックス(配当 込み、円換算ベース)」は⽶国市場に上場している時価総額上位500銘柄で構成する指数となります。

Solactive社は、ESG投資関連の指数ではけっこう有名で、日本でもいくつかSolactive社が算出するESG指数に連動するETFが運用されています。ちなみに、ニッセイAMが採用した「Solactive GBS United States 500」の詳細は以下のようになっています。


今回の指数採用に関してニッセイAMは「指数のライセンス利⽤料を抑えることなどにより低コストを追求し」と説明しています。

近年、日本でもインデックスファンドの低コスト化が一気に進み、いまや海外株式インデックスファンドでも最安値を争う有力ファンドは運用管理費用が0.1%を下回る水準にまで低下しています。ところが、ここまで低コスト化が進むと無視できなくなってきたのが指数算出会社に支払う指数使用料。そこで、さらなる低コスト化を進めるために、使用料の安い指数を採用するという方法が注目されるわけです。

そして、コスト削減のために従来とは異なる指数を採用するというのは、じついぜんからある手法です。例えばバンガード社はかつてMSCIの指数を採用していましたが、使用料削減のためにFTSEの指数に変更しました。つまり、より使用料が安い指数を採用する、あるいは乗り換えるというの古くて新しい手法なのです。

今回、ニッセイAMが指数使用料の削減によって運用管理費用のさらなる低廉化を実現したことで、同様の手法が注目される可能性があります。その意味でも「<購⼊・換⾦⼿数料なし>ニッセイ・S⽶国株式500インデックスファンド」は要注目のファンドでしょう。日本では米国株式ブームが続いていますが、このファンドも有力な選択肢になると思います。

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