2022年4月20日

円安で資産がどんどん増える―2022年4月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績

 

SBI証券で運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の4月の買付(3月拠出分)が約定しました。ここにきて急激な円安となり、日本でも物価上昇への懸念が高まっていますが、こと国際分散投資にとっては円安は悪い面ばかりではありません。円安のおかげで資産がどんどん増えています。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1085%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.058%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

累積損益率は4月18日段階で+41.6%となり、過去最高に迫る評価額となっています。円安が急激に進んだことで海外資産に投資するインデックスファンドの円換算評価額が急上昇しました。

こういう現実を見ると、やはり国際分散投資は強いと感じます。もし円資産にだけしか投資していなかったら、現在の円安で資産の実質価値下落の打撃が直撃していたはずです。しかし、海外資産にも投資することで自国通貨の下落リスクを抑えることができました。

日本人はあまり気にしていませんが、外貨建て資産にも分散投資するというのは運用の基本中の基本なのです。例えばブラジルやトルコなど自国通貨が下落しやすい国のお金持ちは、まちがいなく全員が外国資産に投資しています。それが自国通貨の下落に対するリスクヘッジというものです。

とくにiDeCoのような老後資金のための運用というのは、こういった視点が大切でしょう。なぜなら、もし自国通貨が下落してインフレになっても、現役世代なら収入も増える可能性がありますが、リタイア世代はインフレによる購買力低下の打撃をダイレクトに受けるからです。その時に海外資産にも投資していれば、自国通貨が下落しても海外資産の自国通貨換算額が増えますから、実質的な購買力は維持できることになります。

もちろん、逆に自国通貨が上昇すれば、海外資産の自国通貨換算評価額も減少します。でも、自国通貨が強くなれば輸入品価格は低下しますから、インフレ率も低くなり、場合によってはデフレになるでしょう。するとリタイア世代は資産の名目価値が減っていても、実質的な購買力はある程度は維持できることになります。

やはり資産運用、とくに老後に向けた資産運用というのは自国通貨の下落やインフレへの対策が基本中の基本です。日本は長らくデフレが続いたことで、そういった基本に対してちょっと鈍感になっているのかも。だからちょっと円安になって物価上昇の兆しが見えると慌てる。だからこそ、今回の円安は改めて国際分散投資の意味を見直す良い機会かもしれません。

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【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。



iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。

 

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