2022年1月21日

潤沢な貯蓄がオミクロン株の影響を打ち消す―「iTrust世界株式」の2021年12月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2021年12月次運用報告が出ました。「iTrust世界株式」の12月の騰落率は+4.69%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+4.01%でした。久しぶりに参考指数をアウトパフォームし、受益者としても一息つけた感じです。市場は新型コロナウイルスのオミクロン株による感染者激増で不透明感が増しているのですが、ピクテは比較的楽観的な見通しを持っているようです。ポイントになるのは家計の潤沢な貯蓄だとか。

2021年12月はオミクロン株に対する警戒感から株式市場も下落する局面がありましたが、最終的にはオミクロン株の重症化率が低い可能性が浮上したことなどで過度な警戒感が是正され、上昇に転じています。業種別ではヘルスケアや生活必需品、公益などが大きく上昇し、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスが小幅下落となりました。

日本も含めて世界各国でオミクロン株による感染急拡大が続いていますが、「iTrust」シリーズの受益者に配信する機関投資家向けレポート「Barometer」1月号によると「オミクロン株が景気回復を妨げる公算は小さい」とのこと。その理由として、堅調な労働市場や旺盛なサービス需要、企業の健全なバランスシートに加えて、家計の潤沢な貯蓄が挙げられています。

国際通貨基金(IMF)は、2022 年の世界の総貯蓄率(対 GDP 比)が過去最高の28%に達すると予想しています。このため例えば米国では余剰貯蓄が消費者心理の改善につながり、雇用の伸びに結び付く可能性があるとしています。日本に対しても楽観的で、消費者心理や企業心理の改善を好感していました。

一方、世界的にインフレい傾向が強まり、長期金利も上昇していることで先行きが厳しくなってきたのが債券。各国中央銀行が金融緩和の縮小に向かう局面では、債券への投資に魅力はないと指摘しています。米国ハイイールド債なども「現在のような社債スプレッド水準が低位な環境下では、これらの債券のトータルリターンが低迷する、もしくはマイナス圏に沈むとみています」と悲観的でした。

1月に入ってから不安定な株式市場となっていますが、大局的にはやはり株式をホールドするしかなそうです。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランauカブコム証券確定拠出年金プラン

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