2021年7月18日

ワクチン接種が進む英国株式に注目―「iTrust世界株式」の2021年6月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2021年6月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の6月の騰落率は+1.62%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+2.37%でした。6月は参考指数をアンダーパフォームしています。さて、新型コロナウイルス禍が始まって1年以上たちますが、ここにきてワクチン接種が進み、変異株の脅威は続いているもの、ようやく出口が見えてきました。投資家も徐々に“アフター・コロナ”を見据えたポートフォリオを組み始めています。こうした中、ピクテが注目しているのがワクチン接種の進む英国株式です。

6月の世界株式はユーロ圏の景況感改善や米国での早期金融引き締め観測の後退などで月初から上げ基調で推移しました。月半ばに米国の利上げ観測が強まったことで一時下落に転じましたが、欧州中央銀行がユーロ圏の経済回復が予想以上に早まるとの見通しを示したことや、米国による大規模インフラ投資政策の決定などを好感して上昇で月を終えています。業種別では、情報技術、ヘルスケア、エネルギーが大きく上昇しましたが、素材、金融、公益などは下落しました。

堅調な株価が続いていますが、やはりここにきて先進国の景気回復に鈍化の兆しがあります。インフレ率の上昇と中央銀行による金融緩和縮小の準備がやはり相場の重しになりつつあるということでしょう。こうした中、ピクテは「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」7月号で「景気回復の鈍化とインフレの高進、流動性の縮小、リスク性資産のバリュエーション水準の高止まり等、好ましいとはいえない状況が同時に進行する」と指摘し、株式と債券ともにウェートはニュートラルを推奨する慎重な姿勢を見せています。

こうした中、地域別・セクター別では英国株式をオーバーウェイト推奨としているのが印象的。米国株式やユーロ圏株式と比較してバリュエーションが割安だからです。さらに英国では新型コロナのワクチン接種が高水準で進展し、既に国民の3分の2が少なくとも1回目の接種を終えています。このためデルタ株による甚大な被害を回避できる公算が高く、全面的な経済活動再開も具体化してきました。また、「英国の代表的な株価指数には、バリュー株(割安株)や優良ディフェンシブ銘柄が多く含まれ、こうした銘柄が足元の景気回復局面において相対的に大きく上昇する傾向が強いことも注目」ということです。

やはり今後の株価の行方はワクチン接種の進展にかかっているということでしょう。ちなみに日本も現在、急速にワクチン接種が進んでいます。政府の予想すらも超えるスピードだったため、ここにきて供給不足が顕在化したぐらいです。いろいろと課題もありますが、相対としては日本のワクチン接種は順調に進んでいると言っていいでしょう。これが今後、株価や経済にどのように影響してくるのか。英国の後に続くことができるのか個人的には注目しています。
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