2021年6月21日

ワクチン接種1日100万回達成でGDP1%押し上げ

 

新型コロナウイルスワクチンの接種が加速してきました。私の身の回り高齢者でも1回目の接種を終えた方が目に見えて増えています。政府は「ワクチン接種1日100万回」を目標に掲げていますが、本当に実現しそうな勢いです。では1日100万回の接種ペースが実現したらどうなるのか。みずほリサーチ&テクノロジーズがシミュレーションを発表しました。なんと、2021年度(21年4月~22年3月)の日本のGDPを1%押し上げる可能性があるそうです。

みずほリサーチ&テクノロジーズは2月に発表したレポートで日本のワクチン接種ペースは1日平均43万~57万回にとどまると想定していたのですが、実際は6月に入ってから平均80万~90万回までペースが加速しています。政府が目標とする1日100万回の実現が視野に入ってきたことで、改めてシミュレーションをやり直し、その結果を発表しました。


これによると1日100万回のペースでワクチン接種が進めば、8月下旬頃から新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向となり、それにともない経済活動に対する制限も徐々に緩和することで2021年度第4四半期(2022年1~3月)には経済が正常化させることができるそうです。

その結果、2021年度のGDPを当初予測(ワクチン接種1日50万回ペース)から1%押し上げるそうです。日本のGDPの規模を考える、これはかなり大きな効果です。また、対人サービス業を中心に活動が正常化することで30万人の雇用を誘発する効果が期待できるそうです。これも極めて大きな意味があるでしょう。こうした予測を見ると、やはり「ワクチン普及こそ最大の経済対策」だということがよく分かります。

それにしても日本のワクチン接種ペースの加速は目を見張るものがあります。政府も当初、現場が上げた実現可能な接種ペースは「1日80万回」だったそうです。それに対して菅首相が「1日100万回」の目標をぶち上げたわけです。これに対してメディアでは「できるわけがない」といった見方も少なくありませんでしたが、私は「いや、あのおっさんは意外とやりおるで」と感じていました。

これは企業などで普通に働いていればすぐに分かる実感です。例えば営業の現場が売上目標を上げると、「もうちょっとストレッチしようか」などと言って目標を上積みする上司がよくいます。そして、そういった管理者がいる部署が日本では意外と結果を出す。それは、現場も失敗するリスクを冒したくないから控え目な目標を上げるケースが多いという日本の組織風土をよく知った老獪な管理者のやり口なのです。

菅首相というのは、見るからにそういったタイプではないですか。だから「あのおっさんは意外とやりおるで」と感じたわけです。ただし、きつい上司なので現場は大変でしょう。個人的には菅首相のような上司の下では働きたくありませんね。私もゆるい目標しか上げないタイプなので。

いずれにしても、昨年から続く新型コロナ禍にも、いよいよでトンネルの出口が見えてきました。これからワクチンの職域接種も始まりますから、さらなるペースアップが見込めます。ちなみに私は従業員50人以下の零細企業で働いているので、職域接種の対象にはならないと思っていたのですが、関係のある商業組合が加盟企業と関連企業を取りまとめて職域接種を実施する方向で検討を始めました。上手くいけば、私も近いうちにワクチンを接種できるかもしれません。はやくワクチン接種して、旅行したり飲みに行ったりしたいものです。

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