このほど新型コロナウイルスワクチンの1回目を接種してきました。大阪市の大規模接種センターで接種してきたのですが、会場運営もスムーズで、サクッと打ち終わりました。いよいより新型コロナ禍による自粛状態からの解放が近づいたのかと思うと、ちょっと嬉しいです。
接種券が届いたのは6月末でしたが、すぐに予約を入れたことで大阪市がインテックス大阪に設置している大規模接種センターで接種することができました。交通の便が良い場所ではありませんが、梅田など中心地から無料バスが出ているので、それを使って会場に向かいました。
ワクチン接種は完全予約制なので会場が混雑するようなことはありません。予約時間よりも早く着いたのですが、そのまま会場に入れてくれました。接種券の確認、問診とワクチンの説明と進み、いよいよ接種。接種ブースに入ると、なぜかえらく美人の女医さんがいて、上手に注射してくれました。筋肉注射は、けっこう針を深く刺すので痛そうに見えますが、実際はほとんど痛みなし。あっという間に終わります。その後は15分間の経過観察を経て、2回目の接種の予約を入れると終了です。
全体として会場運営が非常に整備されており、スムーズな接種ができました。現在、日本では1日100万回以上の接種が行われていますが、それが可能な社会インフラがあるということはもっと評価するべきでしょう。なんだかんだ言いながら、世界的に見れば日本の行政システムは、そんなに捨てたものではないのです。
さて、今回接種したワクチンはモデルナのmRNAワクチン。いろいろと副反応が話題になっていますが、私の場合いまのところ大きな副反応は出ていません。接種後5~6時間してから接種部分に筋肉痛に似た鈍痛があるだけ。ある意味、これはワクチンが効いている証拠だと思います。一種の炎症反応が起こり、それによって抗体が作られているということです(7月9日追記:結局、発熱などはなし。接種部分の鈍痛も収まってきました)。
ワクチン接種ができたことで、いよいよ新型コロナ禍からの脱出口が見えてきました。げんきんなもので、まだ1回目を接種しただけなのに、やたらと飲みに行きたくなります。でも、本格的に抗体が生成されるのは2回目接種完了後ですから、もうしばらくの我慢。それでも気分的にだいぶ楽になりました。出口が見えるというのは偉大なのです。
もちろんワクチン接種の是非に関しては様々な意見があります。それでも私が接種することを決めたのは、やはり科学技術の進歩を信じているからにほかなりません。もっと言うと、人類は科学技術の進歩を信じることでしか存在できない生物だと思うからです。
自然界では、それこそ様々な病原体によって特定の生物の個体数が激減する、あるいは絶滅するといったことは長い歴史の中で頻繁に起こっていました。しかし、それらは大きな自然環境のシステムの中では小さなノイズにすぎません。
ところが人類は大脳の発達によって自我が生じ、さらに道具を使い、火など自然物を利用するようになったことで、ある意味で自然環境から逸脱した存在となりました。だからこそ、疫病などが問題になる。この問題を解決するのは、道具を使い、自然を利用することだけ。すなわち科学技術しかないのです。それは人類という生物の可能性であると同時に宿命でもあります。この宿命から逃げたとき、人類は人類ではなくなる。
今回、私が接種したワクチンも人類の科学技術を結集して開発されたものです。だったら、その可能性に賭ける。それによって生じるリスクは、やはり人類が自然から逸脱した存在となったときに背負わざるを得なくなった宿命だと思うのです。ワクチン接種の副反応である腕の痛みを感じながら、そんなことを考えました。