2021年7月4日

新たな可能性を示した「インデックス投資ナイト2021」スピンオフ企画

 

インデックス投資家にとって恒例のイベント「インデックス投資ナイト2021」が開催されました。昨年は新型コロナウイルス禍で中止だったわけですが、今回はスピンオフ企画としてオンラインでの開催です。


私のような地方在住者にとっては、オンライン開催というのは非常にありがたく、もちろん参加しました。今回も非常に面白かった。加えて「インデックス投資ナイト」の新しい可能性も示したような気がします。

さっそく、感想を少しばかり。まず第1部「女性投資家座談会」は、おぱる氏(インデックス投資女子 Around40 Happy Life)、Masami氏(ほんのひとさじ ゆるゆる過ごす日々と投資の記録)、ももんが氏(ももんがさんちの猫)、はる氏(共働く母の家計管理と資産運用)の女性ブロガー4人が登場。あでやかな浴衣姿が夏らしいのですが、それよりも顔出しNGのため全員が狐のお面をつけていたのに驚く。なんとも怪しさ満点です。ただ、内容の方は充実していて、投資を始めたきっかけや、“コロナ・ショック”の際の処し方など興味深いものがありました。みなさん、なんとも腰が据わっていたのが印象的。やはり自動積立は強いということを確認しました。あと、司会のNightWalkerさん(NightWalker's Investment Blog)の的確な司会ぶりと、別の意味で怪しさ満点の風貌が強烈でした。

第2部「東証が変わる!インデックスはどうなるのか?」は、第1部から一転して硬派な内容。2022年に予定されている東証の市場再編に関して三菱UFJ国際投信の代田秀雄常務が丁寧かつ専門的に解説してくれました。大枠として現行TOPIXから一部小型株が除外され、一方で「一部」「二部」「ジャスダック」「マザーズ」を「プライム」「スタンダード」「グロース」に再編することになります。インデックス投資への影響はそれほど大きくないとのこと。ただ、一部小型株が除外された新TOPIXに投資するのか、あるいは今後設定されるであろう東証プライム指数に投資するのかという問題があります。

この点に関して「月刊投資信託事情」の島田知保編集長が「広く分散して日本株市場全体に投資したいなら新TOPIXに投資して問題ない。一方で、大型株を中心に投資したいならプライム指数を選べる」と指摘し、極めて妥当な判断だと思います。ちなみに私自身は「広く分散された日本株市場全体」に投資したいので、新TOPIXで問題ないのかなと感じました。また、山崎元さんが飛び入り参加し、インデックス投資に最適化された新しい指数のアイデアがあり、運用会社の協力で実用化を目指しているという爆弾発言がありました。今後の動きに要注目でしょう。

第3部「インデックス投資のゴールはどこにあるのか? ~FIREについて語り尽くす~」は最近話題のFIRE(Financial Independence, Retire Early)について山崎元氏(楽天証券経済研究所客員研究員)、吊られた男氏(吊られた男の投資ブログ)、NightWalker氏(NightWalker's Investment Blog)、WATANKO氏(資産運用でスーパーカーを手に入れよう!)の4人がカン・チュンドさん(投資信託クリニック)の司会で議論しています。全体的にFIREに対して冷静かつ厳しめの意見が多かった印象ですが、ポイントは「FI」と「RE」は別のものであり、「FI」は大事だけれど「RE」の是非は人それぞれということでしょう。

ちなみに、この座談会で主役だったのがWATANKOさん。冒頭で資産総額を明らかにして視聴者の度肝を抜いた上で、FIREに関しても「今までの人生がレコードのA面だとしたら、FIRE後の生き方はB面。学生時代子ども時代にやりたかったことを思い出してみよう」という名言が飛び出しました。これは非常に重要な考え方だと思う。いまや人生100年時代。65歳でリタイアしたとしても、85歳まで生きれば20年間あるわけです。つまり、ほとんどの人が否応なくREに近い時間を過ごさなければならなくなります。その時に何をするべきか。やはり自分の人生のB面にどんな曲を載せるのかを考えておく必要があるわけです。

第4部「なんでも聞いてみよう!」でも、個人的にWATANKOさんが主役でした。スーパーカー購入予定のWATANKOさんに「高級腕時計を買いたいのですが、妻に反対されます。妻を説得する方法を教えてください」と質問したところ、その回答がふるっている。WATANKOさんがどのように答えたのかは敢えて書きませんが、ぎゃふんとなりました。ちなみに妻にその内容を話したところ、大爆笑しながら「それなら許す」と即答。WATANKOさん、さすがです。あと、山崎元さんがパティックフィリップの腕時計を愛用していることが発覚し、これにも衝撃を受けました。

2年ぶりの「インデックス投資ナイト」は、初のオンライン開催で大いに盛り上がったと思います。同時に今回のオンライン開催で、「インデックス投資ナイト」の新しい可能性が示されたかもしれません。ワクチン接種も進んでいますから、恐らく来年はオフラインでの開催も復活するでしょう。しかし、そうなると参加できる人数がぐっと少なくなる。チケット争奪戦も復活です。でも、オンライン参加なら、その問題が解決です。これは一つの提案ですが、次回からオフラインとオンラインのハイブリッド開催を検討してみては(もちろん、実行委員の労力を考えると無理は言えませんが)。

最後に、やはり実行委員の皆さんの頑張りに最大限の謝意を表したいと思います。新型コロナ禍という異常事態の中で、これだけのイベントを成功させたのは掛け値なしで凄い。イベントの最後にあいさつに立った実行委員長のセロンさんの感極まった様子には、ぐっとなりました。本当にありがとうございます。そして、お疲れ様でした。

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