2020年10月10日

参考指数に圧倒的勝利―ひふみ投信の2020年9月の運用成績

 


サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2020年9月次運用報告書が出ました。9月の騰落率は+4.67%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+1.3%でした。純資産残高は9月30日段階で1313億円(前月は1266億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は6567億円(前月は6535億円)となりました。8月は久しぶりに参考指数を下回りましたが、9月は再び大幅にアウトパフォームしました。9月末で「ひふみ投信」は第12期の決算となりますが、通期でも参考指数に圧倒的勝利です。受益者としては笑いが止まりません。

9月の株式市場は米国のハイテク株などがやや軟調でしたが、日本株への影響は限定的だったこともあり、日経平均株価もほぼフラットな値動きで終わりました。ただ、ここにきて世界的に新型コロナウイルス感染の再拡大への懸念や、米国大統領選挙でのバイデン氏優勢の流れが強まっており、市場に対しても不確定要素が増えている印象を受けます。

こうした環境で「ひふみ投信」は圧倒的なパフォーマンスを発揮しています。9月だけでなく年間ベースで見ても今期(2019年10月~20年9月)の騰落率は+23.23%。これに対して参考指数であるTOPIX(配当込み)は+4.87%です。じつに5倍のリターンを叩き出したことになり圧巻です。これに対して最高運用責任者の藤野英人さんは次のように述べています

なぜこのような結果になったかというと、新型コロナウイルスが流行しているこのような時期にこそ、①私たちが評価をしている優良企業がピンチの中で底力を発揮し、他の競合企業を業績や株価の面で引き離したこと、②危機の時の的確な 対応によって、私たちひふみの運用部隊の運用力がいかんなく発揮された、という両面があると考えています。

 一方、マザーファンドベースで純資産残高はあまり増えていません。今期は好調な運用成績が続く一方で、「ひふみプラス」を中心にかなり解約があって資金流出となっているようです。恐らく基準価額が回復したことで含み損が解消した受益者が“やれやれ売り”をしたのでしょう。そのことを批判できませんが、やはり早くに解約した人は、現在の好調な運用の成果を享受できなかったことは“事実”です。このあたりが長期投資の難しい点でしょう。

さて、今後の運用ですが、米国大統領選挙の行方など不確定要素が増しています。下馬評通りに民主党のバイデン氏が当選するなら米国の経済政策も一定の変更があるでしょう。ただ、こうした懸念に対して藤野氏は次のように指摘しています。

当初トランプ大統領になると株価が下落すると言われている中で、実際には米国市場は大きく株価が上昇をしたことなどを考えると、バイデン氏になると株価が下がるという話もそれほど信憑性があるとは思えず、基本的なスタンス、すなわち、長期的に成長する会社にしっかりと投資し続けることがもっとも大事なことであると考えています。

 確かに米国の場合、政策に対する議会の影響力が大きく、既に下院は民主党が過半数なので、大統領が民主党のバイデン氏になったとしても、かえって行政府と立法府の捻じれが解消されて政策遂行の速度が速まるとの見方もあります。いずれにしても「ひふみ投信」には受益者の1人として、ぜひ頑張って欲しいと思います。

もう一つ、嬉しい報告がありました。「ひふみ投信」には、5年以上保有している受益者に対して信託報酬の一部相当額を還付してくれる「資産形成応援団」制度があります。毎年4月と10月に還付が実施されるのですが、ついに私も10月から対象者となりました。このように長期保有の受益者を重視する姿勢も「ひふみ投信」の魅力です。

さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回はコメリ(8218)でした。全国でDIY用品や園芸・農業資材の専門店を展開するチェーンストアです。園芸・農業資材販売店というのは旧態依然とした個人店舗が多いのですが、そこで近代的なチェーンストア業態を導入することで成長してきました。新型コロナ禍による“巣ごもり需要”にも対応した銘柄と言えるでしょう。あいかわらずシブい銘柄選択だと思いました。

【ご参考】
ひふみ投信は、銀行や証券会社といった販売会社を通さない直販ファンドです。ネットから無料で口座を開設することができます。⇒ひふみ投信

ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する「ひふみプラス」はSBI証券 、auカブコム証券、楽天証券、マネックス証券など主要ネット証券や地方銀行などで買うことができます。

また、ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する確定拠出年金専用ファンド「ひふみ年金」がSBI証券、イオン銀行、松井証券、マネックス証券などの個人型確定拠出年金(iDeCo)プランでラインアップされています。SBI証券、イオン銀行、松井証券、マネックス証券のiDeCoはいずれも運営管理手数料が無料であり、低コストなインデックスファンドをそろえた商品ラインアップも良心的。iDeCoの選択肢として最有力です。こちらもネットから無料で簡単に資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン

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