サイト内検索
2019年10月22日

新規加入の増加が再び勢いづく―2019年10月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



10月は仕事の繁忙期ということもあり、めちゃくちゃ忙しかったです。不本意ながら残業も増えてしまい、ブログの更新頻度もだいぶ下がってしまいました。おかげで相場をウオッチする機会もすっかり減ったのですが、知らない間にだいぶ回復しています。SBI証券のオリジナルプランで拠出・運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の10月の買付(9月拠出分)が約定したのですが、10月20日段階での累積収益率は14.7%となり、前月からさらに増加しました。こうした中、iDeCoを含む確定拠出年金(DC)の加入者の増加も再び勢いを増しています。DCへの加入と資金流入は新たな次元に入った可能性すら指摘され始めました。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。とくに代わり映えもなく、いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.52%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

そのiDeCoですが、ここにきて新規加入者数の増加が再び勢いづいています。7月に続いて8月も新規加入者は大幅増となったそうです。

iDeCoの8月の新規加入者は4万人超、前年同月比で14.6%増と加入に勢い(モーニングスター「iDeCoニュース」)投資信

前年同月比で2ケタの伸び率を記録したのは、制度改定によって加入者数の伸びが大幅に膨らんだ2017年1月~12月以来だそうです。要因いろいろあるのでしょうが、モーニングスターは「6月には国会等において「老後資金として2000万円が不足する」問題が大きく取り上げられ、「年金」が国民的な関心事に浮上して以来、iDeCoの新規加入の伸び率に勢いがついている。7月1日からは、金融機関等の営業職員における運営管理機関業務の兼務規制が緩和され、金融機関窓口の営業担当者が、iDeCoの運用商品の内容や選定理由等について説明することができるようになった」と分析しています。

これは先月のブログ記事(老後資金問題を“自分ごと”として考えている人は既に行動している―2019年9月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績)でも指摘しましたが、やはり老後資金問題を“自分ごと”として真剣に考えた人は、既に行動しているのです。また、企業型DCを含めたDC全体を動きにもある種の兆候のようなものが見え始めました。やはりモーニングスターがDC専用ファンドに記録的な資金流入が起こっていることを報じています。

DC専用ファンド(2019年9月)、2,200億円を超える記録的な資金流入額に膨らむ(モーニングスター「iDeCoニュース」)

DC専用ファンドの2019年9月の純資金流入額は約2221億円で、過去5年間で最大規模の資金流入額となります。これに対してモーニングスターは「DC制度の利用者の急速な拡大によってDC専用ファンドには従来とは異なる次元で資金流入が進むようになっていると考えられる」と指摘しています。バランスファンドへの資金流入が突出して多いのも特徴。これに関しては2018年5月から加入者が自ら運用商品を指図しなかった場合に自動的に資金を振り分ける「指定運用方法(デフォルトファンド)」に投資信託を設定できるようになり、それにバランスファンドが指定されるケースが増えている可能性を示唆しています。

いずれにしてもiDeCoと企業型DCを合わせたDC全体の拡大が顕著になってきました。これもやはり“分かっている人は既に行動している”ことの現れでは。バランスファンドだけでなく先進国株式ファンドや国内債券ファンド、先進国債券ファンドへの資金流入も大幅に増えています。これは自分なりの資産配分で国際分散投資を実践している人が増えているからではないでしょうか。

こうしたことを考えると、たしかにDCには「従来とは異なる次元で資金流入が進むようになっている」のかもしれません。それは小さな動きにすぎないけれども、確実に日本人の資産形成・運用のあり方が変化していることを示す萌芽のように感じます。

【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

iDeCoの前提として日本の公的年金制度について勉強するなら、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障 増補版』が最良にして必読の入門書です。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。



iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』を挙げておきます。





関連コンテンツ