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2019年10月23日
参考指数を上回るも安全運用に留意を―「iTrust世界株式」の2019年9月の運用成績
サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2019年9月次運用報告が出たので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の9月の騰落率は+3.81%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+3.58%でした。市場環境の好転もあって9月は参考指数を上回る好調な運用となりました。ただ先行きに関してピクテは「安全運用に留意」と慎重な見方を崩していません。
9月は米中通商協議進展への期待が高まったことや欧州中央銀行の金融緩和実施などを好感し、株式市場は上昇基調で推移しました。業種別では、金融、エネルギー、素材、公益などが市場平均を上回って上昇する一方、ヘルスケアは下落し、コミュニケーション・サービス、情報技術は小幅上昇となりました。
8月から一転して好調な相場環境となりましたが、ピクテでは先行きに関して慎重な見方を崩していません。「iTrust」シリーズの受益者に配信している機関投資家向けレポート「Barometer」10月号では、現在の市場状況に対して「投資妙味に欠ける」とした上で、ピクテの景気先行指数でも今後数ヵ月、世界経済の鈍化基調が続くことを示唆しています。このため「安全運用に留意」することの重要性を指摘し、キャッシュポジションを厚くしておくことを推奨しています。
株式では特に米国株がPERも29倍に達するなどもっとも割高状態にあることに注意を促します。また、これまでオーバーウエートを推奨していた新興国株に関してもニュートラルにポジションを下方修正するなど、やや慎重な姿勢を強めています。一方、ユーロ株や英国株はバリュエーション面でまだ妙味があるとのこと。ドイツの景気悪化も株価に十分織り込まれていると見ています。債券では、マイナス利回りが増えている日本国債に対してアンダーウエートを推奨していることが気になりました。
株価が回復したことで、えてして楽観論が強まりやすい環境ですが、こうした時こそシートベルトをしっかり締めるべきなのでしょう。ピクテもキャッシュのフルオーバーウエートを推奨しているというのは、非常に重要なポイントをついているように感じました。
【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プラン、カブドットコム証券確定拠出年金プラン