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2019年1月16日

「Smart‐i」シリーズ3本が信託報酬を引き下げ―低コスト競争の次の焦点は国内株式クラスか



りそなアセットマネジメントがこのほど、超低コストインデックスファンド「Smart‐i」シリーズでTOPIX、先進国債券(為替ヘッジなし)、先進国債券(為替ヘッジあり)にそれぞれ投資するインデックスファンドの信託報酬を2月26日から引き下げると発表しました。

運用管理費用引き下げのお知らせ(Smart-iインデックスファンドシリーズ)(りそなアセットマネジメント)

とくに注目はTOPIXを対象とするインデックスファンドでしょう。今回の信託報酬引き下げによって競合ファンドを下回るカテゴリー最安値となります。これまでインデックスファンドの低コスト競争は海外株式クラスが主戦場だった印象がありますが、次の焦点は国内株式クラスかもしれません。

今回、信託報酬(運用管理費用)が引き下げられるのは以下の3ファンドです(カッコ内は税抜き信託報酬)。

「Smart‐i TOPIXインデックス」(0.155%)
「Smart‐i先進国債券インデックス(為替ヘッジなし)」(0.17%)
「Smart‐i先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)」(0.17%)

これにより「Smart‐i TOPIXインデックス」は「<購入・換金手数料なし>ニッセイ」「eMAXIS Slim」「iFree」シリーズを下回る信託報酬となり、カテゴリー最安値となります。また、「Smart‐i先進国債券インデックス(為替ヘッジなし)」は「<購入・換金手数料なし>ニッセイ」「eMAXIS Slim」「たわらノーロード」の各ファンドとカテゴリー最安値で並ぶことになります。「Smart‐i先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)」も引き続きカテゴリー最安値となります。

「Smart‐i」シリーズは、りそなアセットマネジメントがインデックスファンド分野での低コスト競争を戦うために設定した戦略商品ですが、市場投入がやや遅れたこともあり先行する超低コストインデックスファンドシリーズと比べて純資産残高の伸びも鈍く、やや苦戦している印象です。そこでTOPIXを対象としたインデックスファンドで単独でのカテゴリー最安値を打ち出すことで一気に挽回を図りたいというところでしょうか。

こうなると他の競合ファンドの動きも気になるところです。おそらく対抗値下げに踏み切るファンドも出てくるのでは。これはインデックスファンド分野にとってちょっとしたインパクトがあるかもしれません。というのも、これまでインデックスファンドの低コスト競争の主戦場は、どちらかというと海外株式クラスでした。しかし、りそなAMが国内株式クラスで大胆な競争を挑んだことで、今度は国内株式クラスでの低コスト競争に火が付くかもしれません。

海外株式クラスのインデックスファンドは国内ETFよりも低コストな商品が登場するなど既に低コスト化もかなりのレベルまで進み、さらなる大幅な引き下げは実質コストの面からも難しいと考えられます。これに対して国内株式クラスは、国内ETFのコスト水準から類推して、まだまだ信託報酬引き下げの余地がありそうです。当然、次はそこでの競争が起こってもおかしくないでしょう。

最近は国内株式クラスを軽視するインデックス投資家も多いのですが、やはり為替リスクなどを考慮すればインデックスファンドによる国際分散投資において国内株式クラスは先進国株式クラスと並ぶ主力投資対象に変わりありません。このため国内株式インデックスファンドの低コスト化というのは、日本のインデックス投資家にとって大いに歓迎すべきことでしょう。

国内株式クラスで再び低コスト競争を仕掛けた「Smart-i」の動きは、迎え撃つ競合インデックスファンドシリーズの動きと合わせて要注目です。2019年も引き続きインデックスファンドによる低コスト競争が続きそうな予感がします。

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