2018年4月25日

ETFも低コスト競争が再加速か―日興アセットマネジメントがETF4本の運用管理費用を引き下げ



すでに何人もの投信ブロガーさんが報告していますが、日興アセットマネジメントがETF(上場投資信託)4本の運用管理費用(信託報酬)をそれぞれ0.01%引き下げ、マザーファンドも一部変更することで先物運用だったものを現物運用に入れ替えると発表しました。最近はインデックスファンドの低コスト化が急速に進んだことで、本来は低コストが売りだったETFの存在感が低下していたわけですが、ここにきてETFのプロバイダー大手である日興AMが運用管理費用の引き下げに動いたことで、今後はETFの低コスト競争も再加速することへの期待が高まります。

今回、運用管理費用が引き下げられるETFと引き下げ後のコストは以下の通りです(運用管理費用は税抜年率、カッコ内は証券コード)。

「上場インデックスファンド米国株式(S&P500)」(1547)
 運用管理費用:0.15%程度
「上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本」(1554)
 運用管理費用:0.24%程度
「上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)」(1680)
 運用管理費用:0.24%程度
「上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)」(1681)
 運用管理費用:0.24%程度

また、先物運用から現物運用に切り替えることで4本とも「つみたてNISA」対象商品の登録要件に適合することになります。先物運用は純資産残高が小さいうちはコストを抑えやすいにですが、どうしても運用精度が低下してしまうことや、ある程度まで純資産残高が増えればコスト上のメリットも薄くなります。そこで思い切って現物運用に切り替えることで品質のブラッシュアップを図ったと理解できます。運用管理費用の引き下げと合わせ、ここでも「つみたてNISA」NISAによる好影響が現れたと言えそうです。

通常の投資信託の運用管理費用は委託会社(運用会社)、受託会社(信託銀行)、販売会社(証券、銀行)という3社の取り分が含まれているのに対して、ETFのコストは委託会社と受託会社の分しか含まれていません(そのかわり、投資家が購入・売却時に売買手数料を負担する)。このため本来ならETFの方が運用管理費用が少なくなり、それによる低コストがETFの強みとされてきました。

ところが近年、通常の投資信託によるインデックスファンドの低コスト化が急速に進んだことで、ETFの方がコストが割高になるといったいびつなケースが増えています。この辺りのいびつさに日本の投資信託のコスト構造の合理性に関するいい加減さが現れていたとも言えます。コストが高い理由、あるいは逆に安い理由がいずれも説明できないのです。

近年は投資インフラが整備されたことで日本の個人投資家もちょっと勉強すれば簡単に海ETFを購入できます。そして海外ETFは、その規模を生かして驚くべき低コスト競争を繰り広げている。こうした中、国内ETFも手をこまねいていては、それこそ通常のインデックスファンドと海外ETFに挟撃される形で埋没してしまうでしょう。

だからこそ日興AMによるETFのコスト引き下げは大いに評価できます。今回の運用管理費用引き下げを契機に国内ETFでも低コスト競争が再加速することを期待したいところ。やはり利便性という面では、日本の個人投資家にとって国内ETFというのはまだまだ可能性を秘めた商品であり、さらなる普及と発展を期待しているからです。

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『ETF(上場投資信託)まるわかり! 徹底活用術2018』にコメントが掲載されました
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