2018年3月16日

懸念材料は中国経済か―「iTrust世界株式」の2018年2月の運用成績



サテライトポートフォリオで少額だけ積み立て投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2018年2月次運用報告が出ましたので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2月の騰落率は-3.47%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-4.43%でした。世界的に株価が大きく下落する中で、下落幅を参考指数よりも小さく抑えることができるなど、環境が悪い中でも参考指数をアウトパフォームしました。ただ、依然として相場動向は不安定な状態です。とくにピクテは、ここにきて中国経済が懸念材料になるのではと指摘しています。

2月は米国の経済指標が予想を上回る数字となったことで、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペースが加速するのではないかという見方が広がり、とくに上旬に株価は大きく下げる展開となりました。業種別では、情報技術が上昇し、金融や公益は市場平均よりも小幅な下落となる一方、エネルギーや生活必需品、電気通信サービスは大きく下落しました。

ここにきてやや落ち着きを取り戻しつつある株式相場ですが、ピクテが懸念材料として注意を促しているのが中国経済の動向です。受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」2018年3月号では、中国当局がクレジットバブルの抑制に向けた取り組みを続けていることで中国経済が減速していることを最大の懸念材料に挙げています。これまでは堅調な輸出が金融引き締めの影響をカバーしてきましたが、米国の金融緩和が出口を目指す中で信用供給のペースが鈍り、さらに米国の保護主義的通商政策が現実のものとなった場合、中国に端を発して世界経済の見通しは一変すると指摘しています。

この問題は意外と深刻かもしれません。確かに中国企業の債務残高が極めて高い水準になっていますから、金利上昇によって深刻な打撃を受ける懸念は無視できないからです。これまで米国株の動きにばかり気を取られていましたが、やはり危機の真打は中国から登場するのでしょうか。2015年から16年にかけて立て続けに起こったチャイナ・ショックが再び発生するのでしょうか。

一方、好材料としては今回の下落によって株式のバリュエーションが適正レベルまで戻ったことです。このためピクテは株式のポジションについてはニュートラルを推奨しています。ただし、米国株に関しては依然としてバリュエーションが割高水準にあり「お買い得ではない」と釘を刺すのを忘れていません。また、金利上昇局面ですから債券に関してはアンダーウエートを維持します。とくにハイ・イールド債券は記録的な資金流出が続いており、それでも国債との利回り差がそれほど広がっていないことから、さらなる資金流出と価格下落の危険性があると警鐘を鳴らしています。

やはり現在のような金利上昇局面では、債務残高の大きい国の株式や債券市場がもっとも怖いという極めて常識的な判断が重要になるということでしょう。

【ご参考】
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