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2018年2月16日
それでも日本株に強気―「iTrust世界株式」の2018年1月の運用成績
サテライトポートフォリオで積み立て投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2018年1月次運用報告が出ました。「iTrust世界株式」の1月の騰落率は+1.41%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+1.23%でした。再び参考指数をアウトパフォームしました。ただ、2月に入ってから株式相場は大きく様変わりしているので、今後の見通しが非常に気になるところ。この点でピクテは依然として日本株に強気の姿勢を示しています。
世界の株式市場は、12月に世界の主要経済指標が堅調な内容となるなどで世界経済への楽観的な見方が広がり、月初から上昇基調となりました。しかし、景気が好調なことがかえってインフレ懸念を高めることになり、市場の先行きが怪しくなる。そして月末には米国国債の利回りが数年ぶりの水準まで上昇したことなどが影響し反落基調が続いています。
業種別では、一般消費財・サービスや情報技術、ヘルスケアなどが大きく上昇しましたが、公益や電気通信サービス、生活必需品は下落しました。とくに公益は米国の長期金利上昇などが影響し下落率が大きくなっています。こうした悪い流れが2月に入ってからも加速しており、大きな下落へとつながります。ピクテは以前からインフレの悪影響を懸念していましたが、その予想が的中した形です。
相場の状況が一変したことで、ポートフォリオの中身も若干組み換えられています。組み入れ上位銘柄を見るとVISAやプルーデンシャルといった金融・保険銘柄がトップ10に入ってきましたし、JPモルガン・チェースが3位となっています。明らかに金利上昇を見越したポートフォリオの色彩が濃くなってきました。これが今後、吉と出るか凶と出るかが気になるところです。
さて、やはり一番気になるのが今後の相場の見通しです。そこで受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」2018年2月号を見てみました。これによると株式相場は明らかに過熱感があったことから、調整局面に備えよというのがピクテの見解です。とくに米国株は歴史的な割高水準に達していることに加え、利上げも予定されていることから調整局面を迎える可能性があるとしてアンダーウエートを推奨しています。
一方、先行きに強気なのがユーロ圏の欧州株と日本株。欧州株は依然として割安水準にあり、景気回復基調も続いています。日本株に対しては日本企業の業績や日本経済の回復を高く評価しており、いずれもフルオーバーウエートを推奨。米国株とは対照的な見方となり、なかなか興味深い。日本株が下落すると、日本で最も悲観論が広まるのですが、少なくとも海外の投資家は日本株に対してこうした見方をしているということを知っておくのは無意味なことではないでしょう。
それよりも気になるのは、「ピクテでは社債市場全般に対して警戒を強めています。バリュエーションが極めて割高な水準にある他、金融引き締め局面では最初に売り込まれる傾向があるためです」という指摘。米国債の利回りが上昇することで、社債との利回りスプレッドは縮小しますから、社債に投資妙味がなくなるのは当然のことです。とくにハイイールド債券は、かなり厳しい展開があり得るのでは。最近は株価下落を心配する人が多いのですが、現在のような金利上昇局面では、本当に怖いのは債券市場なのです。
【ご参考】
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