2018年2月14日

『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』―ありそうでなかったiDeCoのトリセツ



2017年から加入対象者が大幅に拡大された個人型確定拠出年金(iDeCo)。上手く活用すれば最強の“じぶん年金”となる国の制度としてジワジワと加入者が増加しています。一方、iDeCoは制度がやや複雑なうえに手続きも煩雑。これが加入のハードルとなっている面もぬぐえません。そうしたまったくの初心者を対象とした懇切丁寧な入門書が、大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』。とくに手続き書類の記入方法まで詳細に解説しているところは本書の最大の特徴でしょう。ありそうでなかったiDeCoのトリセツ(取扱説明書)です。

iDeCoは最強の“じぶん年金”として注目され、新たな加入者も堅調に増加しています。一方、いざ加入しようとすると制度が複雑なため、それなりの研究が必要なのも事実です。このため最近では優れた解説書が多く刊行され、このブログでも定期的に紹介してきました。

ところが制度や仕組みについての理解ができても、いざ加入手続きをしてみると、記載不備で提出書類が返却され、再提出を求められるという事態が多々起こっており、Twitterなどでは「iDeCo不備軍」なる呼称まで登場したほどです。

なぜこんなことになるのかというと、iDeCoの加入申し込み書類が極めて不親切だから。運営管理金融機関だけでなく国民年金基金連合会に回される書類があったり、事業所番号、国民年金番号、マイナンバーなど普段はあまり使うことのない番号を複数記入する必要もあります。おまけに掛金拠出を銀行引き落としにするのか勤務先での給与天引きにするのかによっても必要記入欄が異なり、これも混乱を招いてしまう。

現在、iDeCoに加入しようとしている人はどちらかというと金融リテラシーの高い人が多いのですが、そういった人でもiDeCo不備軍になってしまうというのはなかなか深刻な問題でしょう。これまで投資などに全く縁がなく、金融機関の窓口でしか手続きをしたことがないような普通の人にとって、iDeCoの加入手続きの煩雑さは極めて大きなハードルとなっていると言わざるを得ません。

こうした問題に正面から取り組んだのが本書です。著者の大江加代さんは、確定拠出年金アナリストであり特定非営利活動法人確定拠出年金教育協会の理事兼主任研究員として情報提供サイト「iDeCoナビ」の運営に携わってきたiDeCoのエキスパート。そこで得られた実践的な知見が惜しげもなく投入されています。

例えば本書にはiDeCoの加入手続き書類のサンプルが豊富に掲載されており、具体的な記入方法が懇切丁寧に解説されています。iDeCoについての優れた解説書はほかにも多くありますが、加入手続きの実際をここまで詳細に解説した本は寡聞にして知りません。その意味で、本当の初心者が最も必要とする情報が余すところなく盛り込まれていると言えるでしょう。まさに本書は、ありそうでなかったiDeCoのトリセツです。

もちろん、iDeCoの制度や仕組みについてや、メリットである拠出・運用時の課税繰り延べ効果、給付時の所得控除などについても的確に解説されており、この点でも簡潔にして優れた入門書となっています。とくに受給に関する説明が豊富なのも類書と比較して本書の優れている点でしょう。

iDeCoに加入しようと思っているけど、これまで投資関連で金融機関に手続きをしたことがないような初心者や、既にiDeCo加入申し込み書類を取り寄せたけれども、必要書類の不親切さに困っている人などは、ぜひ手元に置いておきたい1冊です。

【ご参考】
現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行です。また、3月下旬から松井証券も同様の条件でiDeCoへの参入を表明しています。iDeCoへの加入を検討している人は、松井証券の動向と合わせてこれら金融機関のプランも研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒松井証券SBI証券確定拠出年金積立プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン
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