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2018年2月21日
きちんとリバランスしていれば暴落の打撃も減らせる―2018年2月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績
近年まれに見る好調な相場だった2017年とはうって変わり、18年に入ってからどうも株式市場は先行き不安定です。米国の長期金利が上昇したことで、さすがの米国株式も調整含みの動きとなり、それが世界に波及しています。今後、どういった相場になるのかまったく読めないわけですが、グローバルポートフォリオを組んでのインデックス投資の場合、きちんとリバランスしていれば暴落の打撃もいくらかは抑えることができます。このほどSBI証券で積み立てている個人型確定拠出年金(iDeCo)の買い付けが行われましたが、あらためて実感しました。
今回買付けたファンド・商品はいつもの通りです(カッコ内は信託報酬)。
【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoプラン)】
三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド(0.16%)
DCニッセイ外国株式インデックス(0.189%)
EXE-i新興国株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
EXE-iグローバル中小型株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
三井住友・DC外国債券インデックスファンド(0.21%)
三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド(0.52%)
EXE-iグローバルREITファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.114%程度)
あおぞらDC定期
2月20日現在の累積リターンは+18.2%となっています。+25%となっていた前月と比べるとかなり低下しているのですが、国内外の株式・REIT70%というポートフォリオ配分だということを考えると、減少幅は比較的小さかったと言えそうです。
なぜ減少幅が小さかったのかといえば、ちょうど1月にリバランスを実施し、ウエートが大きくなっていた国内外の株式インデックスファンドを一部売却し、その大半を定期預金にスイッチングしていたからです。あくまで結果論ですが、ちょうどいい時期に利益確定していたことになります。
このあたりが、定期的にきちんとリバランスを実行することの大切さを教えてくれます。相場が好調なときはつい欲が出て、株式がオーバーウエイトになってもそれをホールドしがち。ところが下落相場というのは唐突に訪れますから、タイミングを計っていても、まず回避することはできません。逆に何も考えずに機械的に定期リバランスを実施した方が、かえってタイミング的にも良かったとなるケースが少なくないのです。
これは逆のパターンもあります。相場が大きく下落した後にリバランスを行うと、今度は大きく値下がりしている資産を買い増すことになりますから、一種のナンピン買いとなる。すると相場が回復したときにリターンを向上させてくれます。やはり、なにも考えずに機械的にリバランスした方が、かえってタイミング的に良いということになる。
こうしたことを繰り返すと、長期的に見れば相場のボラティリティと比較してポートフォリオのボラティリティが小さくなる。これこそ正しい意味でのリスクが低下するということです。リスクというのはボラティリティの大きさのことですから。だからこそ、国際分散投資にとってリバランスというのは極めて重要だということが、今回のような相場急変の場面ではよく分かるでしょう。
おまけにiDeCoの場合、口座内でのスイッチングによる売買には一切の手数料がかからず、課税もされません。これはiDeCoのすぐれた特徴のひとつです。だから、iDeCoで国際分散投資をしている人は、ぜひリバランスを実行して下さい。きっといいことがあるはずです。そして、タイミングを計るのではなくあくまで機械的にやるのがお勧め。私の場合は、だいたい1月か2月にリバランスするようにしています。そういう「無策の策」というのは、意外と効果的なのです。
【ご参考】
iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランも研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン、楽天証券確定拠出年金プラン、イオン銀行確定拠出年金プラン、マネックス証券確定拠出年金プラン、松井証券確定拠出年金プラン
また、iDeCoは、やや制度が複雑なので解説書を読んで研究するのも良いでしょう。最新の情報を盛り込んだ解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』を挙げておきます。