2017年7月24日

セゾン投信の「フィデューシャリー宣言への取り組み状況を評価するための成果指標(KPI)」は素晴らしい!



最近、多くの金融機関が「フィデューシャリー宣言」を発表しています。しかし、日本においてフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)というのは法規制ではなく金融機関が自主的に定める行動規範ですから、それを遵守できているかを評価する成果指標(KPI)も自主的に定めなければなりません。つまり、宣言の内容だけでなく、どれだけ厳しいKPIを定めているかで、その金融機関のフィデューシャリー・デューティーに対する本気度が分かるのです。その意味で感心したのがセゾン投信です。

フィデューシャリー宣言への取り組み状況を評価するための成果指標(KPI)(セゾン投信)

ここまで厳しいKPIを定めた運用会社を寡聞にして知りません。それだけにセゾン投信のフィデューシャリー宣言は、決して口先だけのものではなく、本気の取り組みだと確信できます。

セゾン投信のフィデューシャリー・デューティーに関するKPIは、極めて詳細な内容となっています。それは、例えばセゾン投信の競合ファンドを持つ三井住友トラスト・アセットマネジメントのフィデューシャリー宣言やKPIと比較するとよく分かるでしょう。

「フィデューシャリー・デューティー行動計画」の改定について(三井住友トラスト・アセットマネジメント)

「別紙」の部分に三井住友トラストAMのKPIが記載されていますが、はっきり言ってお粗末。「インデックスファンドを増やしました」「分配回数を減らしました」「セミナーをがんばってやってます」程度のことでドヤ顔されても困ります。そんなのはぜんぜんフィデューシャリー・デューティーと関係ありません。

これに対してセゾン投信のKPIの凄いところは、受益者との「利益相反行為の回避」と「報酬等の合理性」に徹底的にこだわっているところ。とくに驚いたのは、役職員の報酬水準までKPIに取り入れたことです。KPIではセゾン投信の役職員が受け取る報酬のうち、固定報酬(当年度の会社の業績とは直接連動しない役員報酬、給与および賞与)と変動報酬(当年度の会社の業績に直接連動して支給される役員報酬、賞与)の比率を公開するとしています。

これはどういうことか。相場環境が良かったり資金流入が旺盛なときは運用残高が増加していきますからセゾン投信の収益は高まります。その場合、役職員が受け取る報酬のうち、変動報酬の比率が高まるでしょう。逆に相場が暴落したり資金流出で運用残高が減少すればセゾン投信の収益も低下しますから、今度は変動報酬の比率が低下するはずです。

こうした役職員が受け取る報酬の内実まで明らかにするというのは凄いことです。そこには、受益者の利益を第一にしてこそ運用会社やそのスタッフが受け取る報酬の合理性が存在するという考えがあります。受益者が損をしているのに、運用会社やその従業員がのうのうと高額の報酬を受け取るようなボッタクリは絶対にしないということでしょう。

なによりセゾン投信のこの姿勢の凄いところは、運用会社の収益や従業員の報酬ですら、運用業務においては受益者との間で利益相反行為を構成する要素となりうることを公式に認めていることです。だからこそ常に報酬の合理性を担保しようとしている。これほど厳しい姿勢でフィデューシャリー・デューティーという自己規範に取り組むセゾン投信の姿勢は、日本の金融機関の中では異次元の凄みがあります。なにしろ会社の収益や従業員の給料よりも受益者の利益の方が大事であると公式に宣言したようなものですから。

ここにセゾン投信が受益者から信頼される秘密がある。近年、投資信託の低コスト化が進んだことでセゾン投信のファンドは決してコスト的に割安というわけではありません。しかし、セゾン投信のファンドを保有している友人の中には「セゾン投信の信託報酬は安い」と言う人さえいます。これは「セゾン投信のファンドの信託報酬には合理性がある」という意味なのです。それは既に今年3月にファンドの信託報酬を引き下げたときにも証明されました。
【関連記事】
セゾン投信が2ファンドの信託報酬を引き下げ―これは運用会社と受益者の共同作業の成果だ

セゾン投信というのは、つくづく凄い運用会社だと思う。よくこんな会社が日本の運用業界で存在できたなと思うくらい。今回、セゾン投信のKPIを読んで、その思いを新たにしました。こういう姿勢こそ、他の金融機関・運用会社も見習って、追随するべきなのです。

個人的にもセゾン投信のファンドを買いたくなってきた。儲けたいからではありません。こういう真摯で真面目な会社が、最後に勝たなければならないと思うからです。そのための応援の意味も込めて、いくらか資金を出したいと真剣に考えるようになりました。

【ご参考】
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