2017年6月20日

ジワジワと加入者が拡大するiDeCo―2017年6月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績



SBI証券で積み立てている個人型確定拠出年金(iDeCo)が今月も約定しました。なんだかんだいってここしばらくは堅調な相場が続いていますので運用成績も安定しています。最近ではSBI証券と楽天証券がともに運営管理手数料を完全無料化するなどiDeCo使い勝手もますます良くなってきました。ここにきて加入者もジワジワと確実に増えているようです。

私は、iDeCo口座は他の課税口座とは別個にポートフォリオを管理しているので、基本ポートフォリオと資産配分がほぼ同じになるように各資産クラスのインデックスファンドを組み合わせ、さらに味付けとして少額だけグローバル中小型株ファンドなどを組み入れています(参考記事:これが私の個人型確定拠出年金ポートフォリオ―SBI証券DCプランで選んだファンドとその理由)。今回も特に変化はなく、以下のファンドを買付けました(カッコ内は税抜信託報酬)。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoプラン)】
三井住友・DC日本株式インデックスファンドS(0.19%)
DCニッセイ外国株式インデックス(0.21%)
EXE-i新興国株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.131%程度)
EXE-iグローバル中小型株式ファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.104%程度)
インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)(0.26%)
三井住友・DC外国債券インデックスファンド(0.21%)
三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド(0.52%)
EXE-iグローバルREITファンド(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.114%程度)

改めて見ると、かなり低コストなポートフォリオを作ることができています。先日、ブログでも書きました「EXE-i」シリーズは投資対象である海外ETFの信託報酬が昨年末ごろから断続的に引き下げられたことで、実質的な信託報酬がさらに低下しているのも嬉しいですね。運営管理手数料が無料なことに加えて、こういった良心的な商品ラインアップがSBI証券のiDeCoプランの魅力です。

拠出開始来の累積リターンは+12.2%となりました(6月18日現在)。ここしばらくは相場も落ち着いているので堅調なリターンとなっています。しかし、これは毎回書いていることですが、はっきり言って出来すぎの数字。恐らく今後、大きな調整や下落があってもう少し大人しいリターンに落ち着いていくことでしょう。

さて、iDeCoの認知度も少しづつですが一般にも浸透してきたようです。日経新聞によると加入者が50万人を突破したとか。

確定拠出年金、個人型が活況 5月末に加入者50万人突破(「日本経済新聞」電子版)

さらにiDeCo加入者の3割がSBI証券か楽天証券のプランを選択しているそうです。

「イデコ」手数料 SBIと楽天、仁義なき戦い 若年層囲い込み(「日本経済新聞」電子版)

やはり運営管理手数料の無料化や低コストなインデックスファンドをラインアップするといった戦略が成功していると思う。とくに自分で様々な金融機関のプランを比較研究するような金融リテラシーの高い層の支持を集めていることは確実です。

一方、意外と加入者を集めているのが労働金庫(ろうきん)です。

労働金庫、1月以降にiDeCo加入者を3万人獲得(「日本経済新聞」電子版)

やはり財形貯蓄などを通じて職域を営業圏として抑えているのが大きい。とくに公務員の加入者を増やしているようです。

もっとも、ろうきんのiDeCoプランは運営管理手数料が月額305円と比較的低廉ですが、商品ラインアップがやや古臭い。主要資産クラスのインデックスファンドはそろっていますが、コスト水準がひと昔前のレベルなのが残念です。ただ、バランス型ファンドは比較的低コストな商品となっています。

ちなみにネット証券が信用できないなら、みずほ銀行のiDeCoプランの方がお勧めですね。簡単な手続きで運営管理手数料を無料にできますし、“超”低コストなインデックスファンドがラインアップされています。

いずれにしてもiDeCoがジワジワと普及していることは確実です。NISAが1000万口座を超えているのと比べると、まだまだ小さな数字ですが、iDeCoとNISAの大きな違いとしてiDeCoはいったん加入すれば60歳までは原則換金できないということがあります。つまり、否応なく長期積立投資となってしまうということ。

これは金融機関からすれば大きな意味を持ちます。なぜなら、いったん加入者を確保すれば、その後は安定して預かり資産残高が拡大し、信託報酬を確保し続けることができるから。だから今の段階ではとにかく採算を度外視してでも加入者を集めようとしている。それは企業として当然の先行投資です。

また、iDeCoの普及によって日本人の投資に対する認識が大きく変わる可能性もあります。まだまだ日本では「投資」というのは特別なことのように思われがちなのですが、iDeCoが普及すれば、それこそ普通の人が普通に「投資」することがあたり前になる可能性がある。実際に米国でも401Kを通じて投資が一般化したという歴史がありますから。その意味でiDeCoの今後の普及の推移というのは、引き続き注目なのです。

【ご参考】
iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、イオン銀行、松井証券です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランも研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プラン

【関連記事】
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また、研究のために解説書を読むことも大事です。最新の情報を盛り込んだ解説書としては大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』竹川美奈子さんの『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』を挙げておきます。



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