2017年6月24日

ひふみ投信が米国株への投資を開始―運用戦略は新たなステージに突入



私はサテライトポートフォリオの一部として「ひふみ投信」を保有しているのですが、「ひふみ投信」は受益者限定で月次運用報告書とは別に中間レポートを月中に発行しています。このほど配信された6月次の中間レポートを読んで“おっ!”と思ったことが。いよいよ米国株への投資を開始したそうです。

「ひふみ投信」が外国株、とくに米国株への投資を検討していることは以前から報じられてきまましたが、最近の米国株上昇でなかなか買い場がありませんでした。ところが先日、NASDAQ市場が大きく下げたことが。そのタイミングを見計らって米国株への投資を開始したそうです。組入れ銘柄はまだ公表されていませんので、どの銘柄を買ったのか気になるところです。恐らく6月次の運用報告書で明らかになるでしょう。まあ、NASDAQ市場で買ったということは、ハイテク関連なのかもしれません。

いよいよ米国株への投資がスタートしたわけですが、それほど大規模に買い入れたわけではありません。中間レポートには米国株への投資について次のように記載されていました。
複数社に投資する可能性はありますが、今のところ全体の10%を超える割合で米国株に投資することは考えておりません。あくまでも日本の超大型株への投資の代替という位置づけです。
これを読んで「ひふみ投信」の運用戦略が新たなステージに突入したことを感じました。

ひふみ投信は従来、日本の中小型株への投資を得意としてきたわけですが、最近ではファンドの規模が大きくなっており、5月末段階でマザーファンドの純資産残高は2320億円に達します。ここまで運用金額が大きくなると、日本の中小型株への投資は流動性の面から難しくなる。通常の日本株ファンドの場合、そこで否応なく大型株もポートフォリオに組み入れざるを得ないのですが、そうなると一種の疑似インデックスファンドとなって運用成績が低迷するというのが多くのパターンでした。いわゆる“純資産3000億円の壁”というやつです。

実際、ひふみ投信も最近は徐々に組入れ銘柄に大型株が増えていました。しかし、ひふみ投信から見て投資したいと思える日本の大型株が少なかったのでしょう。そこで投資したくない日本の銘柄に不本意ながら投資するよりも、その代替として良いと思える米国の銘柄を一部組み込むという戦略を取ったわけです。こういった運用戦略というのは、意外と珍しいのでは。

もちろん、米国株を組み入れたことで運用の難易度は一段と高くなります。そもそも米国株に対するリサーチは、どうしても日本株ほど小まめにやることが物理的に難しいですから。また、為替リスクも負ってしまいます。その意味では、これまでよりもややリスクをとった運用にならざるを得ません。この辺りをどう判断するかで評価が分かれるのではないでしょうか。

また、「ひふみ投信」(と「ひふみプラス」「ひふみ年金」)がファンドの規模拡大に合わせて運用戦略を変化させていることは確かです。これを運用方針の変更と捉える受益者もいることでしょう。そして、アクティブファンドが運用方針を変化させた場合、その変化の是非を受益者は判断しなければなりません。もし運用方針が変化し、それに賛同できないなら、受益者はそのファンドから資金を引き上げるべき。その意味で今回の「ひふみ投信」の動きは、受益者がファンドとの付き合い方を今後どうするのかを真剣に考えるべき機会となるのではないでしょうか。

ただし、「ひふみは日本の中小型株に投資するファンドだと思ってたのに話が違う!」と怒ってはいけません。なぜなら目論見書を読むと「ひふみ投信」の投資対象地域は「グローバル(日本を含む)」となっており、ファンドの特色のところには「国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資します」とあります。最初から日本の中小型株に投資するといったことは書かれていません。もし、「ひふみ投信」が国内中小型株ファンドだと思っている人がいるなら、それは目論見書の読み込みが浅い。受益者の方で勝手に誤解してただけです。

その意味で「ひふみ投信」からすれば、今回の米国株への投資も別段に運用方針を変更したとは考えていないと思います。目論見書通り、最初から選択肢として用意されていたということです。だから、運用方針は変わっていないけれども、戦略レベルで次の段階に入ったという風にも理解できるのです。私個人としては、こうした運用戦略の変化がどのような結果を生むのか、非常に興味があります。まだまだ楽しませてくれそうなファンドだと感じました。

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【ご参考】
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