2017年2月8日

非トランプ銘柄にシフト―ひふみ投信の2017年1月の運用成績



私はかなり多くの銘柄の投資信託を保有していますが、月報や運用報告書を読むのが楽しみな商品といえば、ひふみ投信ということになります。2017年1月次運用報告書が出たので今月も読んでいこうと思います。ひふみ投信の2017年1月の騰落率は+2.8%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+0.2%でした。"トランプ・ラリー"が一服し、逆に"トランプ・リスク"への懸念が囁かれるようになる中で株式相場も方向感を失っているのですが、ひふみ投信は思い切って"非トランプ銘柄"へのシフトを進めたことで参考指数を大きくアウトパフォームしました。あいかわらず見事としか言いようがありません。1月31日段階での純資産残高は376.3億円(前月は363億円)、受益権総口数は10,225,942,798(前月は10,136,873,864口)となり、こちらも引き続き順調に拡大しています。

日本だけでなく世界的に株式市場は非常に難しい局面にきています。ドナルド・トランプ氏が米国の大統領に当選し、その積極的な経済政策への期待から"トランプ・ラリー"が続いていたわけですが、実際に大統領に就任すると、特定国からの入国を禁止する大統領令を出すなど予想以上に強硬な政治姿勢が明確になったことで、にわかに"トランプ・リスク"が意識され始めたからです。このため株式相場も方向感を失い、1月は横ばいで推移しました。

これに対してひふみ投信は素晴らしいパフォーマンスをたたき出しています。もともと1月というのは、ひふみ投信が得意とする中小型株が好調になるアノマリーがあるそうですが、それ以上にトランプ大統領に対する見方の変化が相場に作用し、それがひふみ投信にとって有利に働いたようです。この点に関して最高運用責任者である藤野英人氏は次のようにまとめています。
トランプ政権に対する見方が変化しつつあることが大きな変化をもたらしました。それは彼が必ずしも市場に対して「優しい」大統領でもなく、むしろ様々なリスク要因ではないかという懸念が広がるにつれて、自立的に成長できるような企業に市場の注目が移って行ったことにより、成長株に有利な相場展開になってきていると考えています。
昨年末までは大胆なポートフォリオの組み換えで大型株もフォローすることで好調な運用成績を維持してきたひふみ投信ですが、ここにきて機敏にも再びポートフォリオが大きく変化しています。ひふみ投信が得意とする地味でも自立して成長する力のある企業へのウエートが再び高まっています。

はたしてトランプ大統領の存在が株式市場にどのように影響していくのか。この判断が今後の運用結果を左右することになります。ここで藤野さんは思いきった方針を打ち出しました。明確に"非トランプ銘柄"へのシフトを進めるとしています。
トランプ米大統領の行動は、従来の大統領とタイプが違うために予測がしにくく、 市場の変動性が上昇しているので、米国の政治リスクにさらされにくい企業への投資が有効な対策であると考えています。例えば対米輸出が収益の軸であるような米国依存度の高い企業ではない、いわゆる非トランプ銘柄でかつ成長力の高い企業を中心とする組入銘柄にシフトしていくことが、トランプ米大統領就任以降のひふみの投資スタンスです。
はたしてこの判断が吉と出るか凶と出るか分かりませんが、少なくともこういったファンドマネージャーの判断に基づく投資こそアクティブファンドの面白さ、醍醐味です。また、裏目に出た場合は「投資態度も変化させていこうと考えています。必要であれば、機敏に行動出来るよう常に準備して参ります」というところも注目でしょう。受益者の1人として、プロの手綱さばきを見せてもらいたいところです。

非トランプ銘柄へのシフトを進めるということですが、それは既に組入れ上位銘柄にも現われています。ライク、アドバンテスト、TSIホールディングス、日成ビルド工業といった銘柄が上位に顔を出してきました。セクター的には引き続き半導体関連にオーバーウエートしながら、人材・労働関連銘柄も目立ちます。この辺りに藤野氏が描いているストーリーが明瞭です。また、アパレル不況が言われる中でTSIホールディングスが組入れ上位に登場するところが興味深い。普通はありえない銘柄選択に思えるからです。

組み入れ情味銘柄を見るだけで、ひふみ投信はやはりユニークなファンドだと改めて感じました。まず個人投資家レベルでは名前すら聞いたことのない企業を見つけてくるわけですから。こういった銘柄を発掘してくれるからこそ、受益者としてもアクティブファンドに投資する甲斐があります。今後も難しい相場が続くと思いますが、引き続きひふみ投信の動きには要注意だと確信しました。

さて、月次運用報告書に先立って発表された中間レポート恒例の組入れ銘柄紹介です。今回はWASHハウス(6537)でした。九州地方を中心にコインランドリーの店舗開発・運営などを行なう企業です。さすがにこれには参った。こんな銘柄、よく探してきたものだと感心します。しかも、ただのクリーニング屋ではありません。ITを活用した店舗管理システムを強みとし、店舗の機械(洗濯機、 乾燥機など)は遠隔操作で売上管理からトラブル認識まで可能となっていて、店舗内は監視カメラによって常時監視されているとか。いやはや、本当にびっくりするくらいユニークな企業を発掘してくるところが、ひふみ投信の魅力なのです。

【ご参考】
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