2016年5月2日

メーデーのデモに参加しました―労働運動と投資の二正面作戦



5月1日はメーデーでした。私は労働組合の役員もしているのでメーデーのデモに毎年参加しています。私のようなサラリーマンは基本的に自分の労働力商品を資本に売るしかない労働者階級ですから、労働運動はとても大事です。とにかく労働分配率を高めないことには、資本主義生産様式において資本に搾取されてしまう。だから、日々の労使交渉に加えて、ときにはデモをして示威行動しないといけないということです。ということで今年もデモに参加しました。ところで「普段は株式投資をしているのだから、お前は資本家の側じゃないか」という批判があるかもしれません。しかし、「資本」とは特定の個人を指す言葉ではありません。あくまで剰余価値を生み出しながら自己増殖するシステムが「資本」です。そして、労働者が投資するということは、この剰余価値を取り返す行為だともいえる。だから私は、労働者として労働運動による労働分配率の引き上げと、投資による剰余価値の回収という二正面作戦を戦うようにしているわけです。

これはもはや常識なのですが、サラリーマンにとって資産形成の最大のエンジンは投資なんかじゃなくて日々の収入を増やすことです。そのためにスキルアップや労働生産性の向上が欠かせないし、場合によっては副業によって収入の複線化を図ることもありでしょう。でも、それと同じくらい大事なのが、本業の給与を上げるために企業に対して労働分配率の引き上げを求めることです。そのためには労働者が団結して交渉しないと、いいように搾取されるのが資本主義社会というものです。

最近は労働組合についてバカにする風潮も強いです。「組合は、なにもしてくれない」という批判もあります。しかし、こういった批判は労働組合とは何かという根本的なことを誤解している。労働組合は誰かの代わりに戦ってくれる組織ではありません。あくまで一緒に戦うための組織です。だから、組合の協力を得るためには、まず自分が仲間を助けないといけないし、自分が主体となって戦わないといけない。そうしないことには労働組合としても一緒に戦いようがないわけです。

一方、いくら労働分配率を高めたとしても、それによって得る賃金は労働者が提供した労働力商品の対価に過ぎませんから、資本が生み出す剰余価値を回収することはできません。ところが公開された株式会社の場合、その株式を保有することで労働者でも資本が生み出す剰余価値の一部を回収することができる。これは素晴らしいことです。だから私は、労働者として株式投資することで剰余価値の回収を進めようとしているわけ。労働運動と投資による二正面作戦を戦うということです。

【関連記事】
なぜ株式投資が必要なのか-労働者階級こそ株式投資で剰余価値を回収せよ

【蛇足】
ところで余談ですが、メディアに登場するような日本の既存左翼がダメなのは、資本主義を批判するくせに、まったく資本主義のメカニズムを理解していないからです。戦う相手の正体も分からずに批判しようとするからトンチンカンなことになる。その点、やっぱりマルクスは偉大なんです。彼は資本主義を批判するために資本主義のメカニズムを根本的に分析しようとした。しかも、意外と資本側の実態をよく知っている(その情報は、企業経営者でもあったエンゲルスからもたらされたのでしょう)。だから、昔から企業経営者の立場にいる人の方が『資本論』をよく理解できたし、若いときに『資本論』を本格的に勉強していた人が、社会に出てから大物経営者になったりするケースがあって面白いのです。
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