2016年4月24日

SBI証券の個人型確定拠出年金プランが大幅パワーアップ―商品ラインアップ拡充で選択肢として最有力に



すでにインデックス投資関連のSNSやブログで話題になっていますが、SBI証券確定拠出年金積立プランの商品ラインアップが大幅に拡充されました。4月22日に正式発表されています。

個人型年金プラン運用商品大幅拡充のお知らせ~低信託報酬のインデックスファンドなど計20本を追加!~(SBI証券)

もともとSBI証券の個人型確定拠出年金(個人型DC)プランは、残高50万円以上で金融機関に払う運営管理手数料が無料になるど極めて良心的なサービスを提供していました。ただ、運用商品ラインアップにややクセがあり、その点から低コストなインデックスファンドを商品ラインアップにそろえる野村證券やりそな銀行の個人型DCプランを選ぶ人も少なくありませんでした。しかし今回、SBI証券の商品ラインアップが拡充されたことで、個人型DCの選択肢として最有力に躍り出たといっても過言ではないと思います。

今回、新たにプランに投入された運用商品は次の20本です。カッコ内は信託報酬(税抜年率)です。また、インデックスファンドには★印をつけました。

〔国内株式ファンド〕
ニッセイ日経225インデックスファンド(信託報酬0.25%)★
野村DC・JPX日経400ファンド(信託報酬0.25%)★
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>(信託報酬1.5%)

〔海外株式ファンド〕
DCニッセイ外国株式インデックス(信託報酬0.21%)★
インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用)(信託報酬0.28%)★
三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド(信託報酬0.55%)★
ラッセル外国株式マルチ・マネージャー・ファンド(確定拠出年金向け)(信託報酬1.35%)
キャピタル世界株式ファンド(DC年金用)(信託報酬1.42%)

〔国内債券ファンド〕
三菱UFJ 国内債券インデックスファンド゙(確定拠出年金)(信託報酬0.12%)★

〔海外債券ファンド〕
三井住友・DC外国債券インデックスファンド(信託報酬0.21%)★
インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)(信託報酬0.26%)★
三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド(信託報酬0.52%)★

〔国内REITファンド〕
DCニッセイJ-REITインデックスファンド(信託報酬0.55%)★

〔海外REITファンド〕
野村世界REITインデックスファンド(確定拠出年金向け)(信託報酬0.53%)★

〔バランスファンド〕
DCインデックスバランス(株式20)(信託報酬0.17%)★
DCインデックスバランス(株式40)(信託報酬0.18%)★
DCインデックスバランス(株式60)(信託報酬0.19%)★
DCインデックスバランス(株式80)(信託報酬0.20%)★
野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)(信託報酬1.20%)

〔コモディティファンド〕
三菱UFJ純金ファンド(愛称:ファインゴールド)(信託報酬上限0.972%)


はっきりいって、素晴らしいラインアップです。SBI証券の個人型DCプランにはすでに低コストな海外ETFにファンド・オブ・ファンズ方式で投資する低コストファンドシリーズ「EXE-i」が含まれていますので、今回の追加ラインアップと合わせると、「国内株式」「海外株式」「国内債券」「海外債券」「国内REIT」「海外REIT」という主要資産カテゴリーすべてに、ほぼ最低水準のコストで投資することができます。それでいて残高50万円以上で運営管理手数料が無料になるのですから、そのコスト競争力は強烈です。

注目はDCニッセイ外国株式インデックスと三菱UFJ国内債券インデックスファンド


今回の追加商品で、とくに注目はDCニッセイ外国株式インデックスでしょう。先進国株式に投資するインデックスファンドとしては最低水準の信託報酬です。例えば野村證券や琉球銀行の個人型DCプランにある野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(信託報酬0.22%)よりも安いです。先進国株式ファンドはインデックスファンドによる国際分散投資における主力資産ですから、そのコストは非常に重要なのです

また、地味ですが三菱UFJ国内債券インデックスファンド゙(確定拠出年金)が追加されたのも大きい。じつはSBI証券の個人型DCプランの弱点のひとつが、国内債券ファンドがアクティブファンドしかなかったことでした。個人型、企業型を問わずDCは運用期間が60歳までに限定され、支払い時に退職所得控除を使って初めて節税メリットを享受できます。ですから、60歳が近づいて来たら、ある程度は運用リスクを抑えたポートフォリオに組み替える人も少なくありません。その場合、低コストな国内債券インデックスファンドがないと非常に困るのです。今回、極めて低コストな国内債券インデックスファンドが追加されたことで、この問題がクリアされました。

為替ヘッジ付海外債券への投資も選択肢に


さらに個人的な投資戦略から注目しているのが、インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)の存在です。現在、日銀のマイナス金利政策によって国内債券インデックスの利回りはマイナス圏に沈んでいます。既発債の債券価格が上昇しているのでこ国内債券ファンドのトータルリターンはプラスを維持していますが、このままマイナス金利が長引くと、国内債券ファンドの期待リターンもマイナスになる危険性があります。このため私は現在、国内債券ファンドへの投資を減額しています。そして、その代替として注目しているのが為替ヘッジ付海外債券への投資です。

これは判断が非常に難しく、国内外の短期金利差と長期金利差による為替ヘッジコストと金利リターンの関係をどのように判断するかという問題があるのですが、選択肢としてはありだと思います。ただし、ただでさえ為替ヘッジコストがかかる分、リターンが低下しやすいですから、ヘッジ付外債に投資するファンドは可能な限り低コストでなければなりません。その意味で低コストなヘッジ付外国債券インデックスファンドがライアンアップされたのは、個人的に面白いと思いました。

国内株式ファンドと新興国株式ファンドは好みが分かれるところか


一方、やや物足りないのが国内株式ファンドです。TOPIXに投資するファンドのラインアップが貧弱だからです。ニッセイ日経225インデックスは低コストで実績のあるファンドですが、指数として日経225がいいのかというのは分散の観点からも好みが分かれるところ。日経225が好みでないなら、野村DC・JPX日経400ファンドか、既存ラインアップにあるSBI TOPIX100・インデックスファンド<DC年金>(信託報酬0.24%)で代替するしかなさそうです。既存ラインアップにあるTOPIX連動のMHAM TOPIXオープンは信託報酬0.65%と一時代前の水準ですから、DC用ファンドとして投資妙味はありません。

新興国株式ファンドも好みが分かれるところです。三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド(信託報酬0.55%)に対して、すでにEXE-i新興国株式ファンド(実質コスト0.3904%程度)があるからです。ここで注意するべきは、三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンドのベンチマークがMSCIエマージング・マーケット・インデックスであるのに対し、EXE-i新興国株式ファンドのベンチマークはFTSE・エマージング・インデックスだということ。両者の大きな違いは、MSCIが韓国を新興国に含めるのに対し、FTSEは含めません。韓国企業の取り扱いをどのように考えるかで、選択肢が分かれるでしょう。

いずれにしても総合力でNo.1の個人型DCプランに


いずれにしても、総合力ではSBI証券の個人型DCプランはNo.1の座に着いたといってもいいと思います。商品ラインアップが拡充され、ほぼ最低水準のコストのファンドがそろうと、運営管理手数料が無料になるメリットが極めて大きくなるからです。私はこれまでおススメの個人型DCプランとしてSBI証券のほかスルガ銀行、野村證券、りそな銀行を推してきました。しかし、現段階でSBI証券の個人型DCプランは他の3金融機関のプランを凌駕したといえます。新たなサービス拡充を進める金融機関が登場しない限りは、おそらく個人型DCプランの選択肢としては、SBI証券の一択といっても過言ではないでしょう。

【ご参考】
私はこれまで野村證券と同じ商品が買える琉球銀行で個人型確定拠出年金に加入してきましたが、今回のSBI証券によるラインアップ拡充に合わせて金融機関をSBI 証券に移換することにしましました。すでに資料も請求しました。SBI証券の個人型確定拠出年金プランの資料は、新規加入も運営管理金融機関の移換もともにネットから無料で請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金積立プラン

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