2016年3月9日

一進一退の攻防が続く―ひふみ投信の2016年2月の運用成績



定例のひふみ投信ウォッチです。このほど発行された2016年2月次運用レポートを読んでいきたいと思います。ひふみ投信の2016年2月の騰落率は-6.76%でした。参考指数のTOPIX(配当込)の騰落率は-9.34%でしたから、今月も参考指数をアウトパフォームしたことになります。2月は株式市場の状態が依然として酷く、世界的にリスクオフの傾向が強まった月でした。そんな中で、運用も一進一退の攻防が続いたという印象です。2月29日段階での純資産残高は275.32億円(前月は287.93億円)となり、受益権総口数は8,985,384,060口(前月は8,761,376,315口)となりました。株価下落で純資産残高は減少していますが、口数が増えているということは依然として順調な資金流入が続いてるということであり、ひふみ投信に対する受益者の高い信頼感を感じさせます。

1月に続いて2月も酷い相場でした。私は個別株も少し保有しているのですが、見る見るうちに含み益が減り、含み損が増えていくといった状態でした。日銀によるマイナス金利導入もあったのですが、その効果もいまのところ不発ぎみです。ひふみ投信もかなり工夫した運用を行ったようで、次のように振り返っています。
このような状況の中「ひふみ投信」では、マクロ経済の悪化や円高などによる業績見通しの悪化が懸念される大型株の売却を進める一方、外部環境悪化の影響を受けにくく、独自成長が期待される企業への投資を実施しました。具体的には、航空機リースなどが成長ドライバーとなっており、金利低下のメリットも受けられる東京センチュリーリース(8439)の組入れや、e-sportsなど新分野での成長が期待できるカドカワ(9468)の買い増しを行いました。
マイナス金利なのでリース会社の株を組入れるというアイデアには気づかなかった。これは面白い。たしかに借入金利はマイナス金利の影響で低下する可能性が大きいですが、リース料は需給バランスで決まる面もあるので、市中金利ほど低下しない場合があるという理屈でしょう。そうなれば当然、リース会社の利幅は拡大します。あいかわらず着目点が細かい。

今後の見通しですが、中国経済の低調や原油安、円高など日本の株式市場にとって外部環境が依然として厳しい一方で、米国経済の堅調が続くことから「しばらく世界の景気は米国の片翼飛行のような状況になるでしょう」「米国の景気がしっかりしているおかげで、リーマンショックのようなことは起こりにくいと考えています」とのことです。このあたりは、個人的な相場観とも一致します。とくに米国経済に関しては、案外としっかりしているのではないという印象が強まってきました。こうしたなか、今後の運用のポイントは以下のようになります。
世界全体のスローダウンは継続すると見込まれ、日本の大型株、特に輸出ハイテク企業の不振は長引くと考えています。またマイナス金利の影響で、金融セクターのアンダーパフォームは続くと考えています。よって、しばらくは、内需の大型企業や中小型株、材料株などが相対的に堅調な相場環境が続くでしょう。ひふみの組み入れ上位に日本たばこ産業(JT)(2914)を配置したのもそのような理由です。2月末の上位10銘柄にあるカドカワ(9468)、東京センチュリーリース(8439)、サカタのタネ(1377)は、2016年以降の相場展開を読んで、組み入れた銘柄群です。その他、下位にも多くの新規組入れ銘柄があります。
ひふみ投信は元々、大型株よりも中小型株を得意とするファンドですから、見方を変えれば強みが生きる相場環境なのかもしれません。将来の相場展開を読んだ組入れ銘柄がどうなっていくのか、受益者の一人として期待したいと思います。

さて、月次運用レポートに先立って発表されていた中間運用レポート恒例の組み入れ銘柄紹介ですが、今回はダイフク(6383)でした。工場などで使用するラック・コンベアシステムなどマテリアル・ハンドリングの会社です。これは目からウロコの銘柄選択だと思いました。工場や物流倉庫に出入りしている人なら分かると思いますが、ラックやコンベヤのシステムというのは非常に高度なものです。とくに日本のように生産・物流現場での省人化・自動化が至上命題の国では、作業ラインの命運を握るシステムだとさえ言えます。日本は今後、人手不足が深刻化しますし、中国など新興国でも人件費上昇から従来のような人海戦術によるライン構成は難しくなります。いやおうなくマテリアル・ハンドリングの需要が高まる。いやはや、あいかわらず面白い銘柄を探してくれます。このあたりが、ひふみ投信の魅力でしょう。

【ご参考】
ひふみ投信は、銀行や証券会社といった販売会社を通さない直販ファンドです。ネットから無料で口座を開設することができます。⇒ひふみ投信

ひふみ投信と同じマザーファンドに投資する「ひふみプラス」はSBI証券 、カブドットコム証券、楽天証券、マネックス証券など主要ネット証券や地方銀行などで買うことができます。
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