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2015年11月29日
りそな銀行の個人型確定拠出年金がパワーアップ-新興国株式・債券、先進国REITのインデックスファンドが追加
手数料の安さや低コスト商品のラインナップで高く評価できる個人型確定拠出年金プランといえば、SBI証券、スルガ銀行、野村證券、りそな銀行の4つを上げることができます。そのひとつ、りそな銀行個人型確定拠出年金プランが一段とパワーアップしていました。
りそな銀行、個人型DCの商品ラインナップ大幅拡充、「オムニチャネル」で利便性を向上(モーニングスター)
記事にある通り、新たに新興国株式、新興国債券、先進国REITに投資するインデックスファンドが追加されていました。いずれも野村證券が個人型確定拠出年金プランで提供しているのと同じ商品か、同レベルの信託報酬の商品です。こうなると運営管理手数料が安い分、りそな銀行の方が野村證券よりも有利な金融機関となります。商品ラインアップの優位性という面では、りそな銀行が一躍最有力に躍り出た感があります。
りそな銀行の個人型確定拠出年金プランは従来、元本確保型2本、投資信託22本の合計24本でしたが、9月30日に新たに投資信託を9本追加し、合計33本となったそうです。追加された商品のうち、注目すべきインデックスファンドは以下の3本です。
野村新興国株式インデックスファンド(確定拠出年金向け):信託報酬(税抜)0.56%
DCダイワ新興国債券インデックスファンド:信託報酬(税抜)0.52%
野村世界REITインデックスファンド(確定拠出年金向け):信託報酬(税抜)0.53%
新興国株式と先進国REITのインデックスファンドは野村證券や琉球銀行の個人型確定拠出年金プランで提供されているのと同じ商品。DCダイワ新興国債券インデックスファンドも、野村證券のプランで提供されている野村新興国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)の信託報酬(税抜)0.55%と比べて若干低コストです。
そのほかのアセットカテゴリーの商品を比べても、りそな銀行のラインナップは野村證券と遜色ありません。両社の商品の信託報酬を比較すると以下のようになります(上がりそな銀行、下が野村證券の商品)。
【国内債券】
りそなDC信託のチカラ日本の債券インデックスファンド:税抜0.15%
野村DC国内債券インデックスファンド・NOMURA-BPI総合:税抜0.16%
【国内株式(TOPIX連動)】
りそなDC信託のチカラ日本の株式インデックスファンド:税抜0.18%
野村DC国内株式インデックスファンド・TOPIX:税抜0.19%
【先進国株式】
DCダイワ外国株式インデックス:税抜0.25%
野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI:税抜0.22%
【先進国債券】
DCダイワ外国債券インデックス:税抜0.23%
野村DC外国債券インデックスファンド:税抜0.21%
商品ラインナップとしては、ほぼ互角です。しかし、最大の違いは金融機関ごとに異なる運営管理手数料。野村證券の年4,104円に対して、りそな銀行は年3,792円です。(※運営管理手数料のほか国民年金基金連合会へ加入手数料2,777円〈初年度のみ〉、国民年金基金連合会への手数料年額1,236円、事務委託先金融機関手数料年額768円がかかりますが、これは全金融機関共通です。)
私はこれまで運営管理手数料の安さならSBI証券、運用商品の信託報酬の安さでは野村證券のプランが優れると考えてきました。しかし、野村證券とりそな銀行では運用商品の差がほぼなくなりました。こうなると運営管理手数料が安い分だけ、りそな銀行のプランの方が野村證券よりも優れているといえるかもしれません。りそな銀行は前身の大和銀行が都市銀行で唯一の信託併営の銀行だったことから、もともと年金業務を強みにしていました。それだけに個人型確定拠出年金にも力を入れようとしている姿勢に好感を持ちます。個人型確定拠出年金プランの選択肢として、最有力に躍り出たような気がします。