2015年11月18日

真面目に仕事をしていれば、短期売買なんかできるわけがない



1週間のイタリア・ミラノ出張を終え、無事に日本に帰ってきました(写真は、帰国のためノルド・カドルナ駅で空港行のマルペンサエクスプレスを持っているときです。プラットフォームにあったカフェスタンドでカプチーノを飲みました)。出張中はパリ同時テロ事件発生で、ミラノでもテレビは連日の特番です。ただ、イタリアの市民生活にはいまのところ特段の影響もなく、仕事も平常運転でした。そんな中、とにかく仕事が忙しかった。海外出張となると日程に制限があるので、朝から晩までスケジュールがぎっしり。結局、観光もできていません。やっぱり海外はプライベートで行くものだと実感。(そんなわけで出張中はブログを書く時間もありませんでしたので、久しぶりの更新です)。

仕事が忙しいと投資のことなど考える暇がありません。こういった場合に、やっぱり自動積立によるバイ&ホールドという“ほったらかし投資”はじつに助かります。もっというと、真面目に仕事をしていれば、個別株にしろFXにしろ、短期売買なんかできるわけがありません。つまり、専業投資家でもない限り、短期売買に集中しているような人は、本業に対して真面目に取り組んでいないと思われても仕方がないのかもしれません。

私の場合、投資のコアは個人型確定拠出年金と証券会社の特定口座でのインデックスファンドの自動積立です。出張中も相場を気にすることもなく、一部が自動的に買い付けられていました。だから、パリ同時テロ事件が起こって相場に何らかの影響が出たとしても、気にすることもなく仕事に集中できるのです。株やFXの短期売買の場合、こうはいきません。今回のようにインパクトの大きい事件があると、すぐに市場の状況を確認して、対応を考える必要があります。でも、専業投資家でもない限り、これは不可能。だって、事件は仕事中でもお構いなしに起こりますから。仕事中に隠れてこっそり取引するのでしょうか。でも、それは就業規則違反になる可能性があります。

だから、投資が仕事である専業トレーダー以外は、本当の意味で短期売買に徹することなどできません。結局、片手間で短期売買らしきことをするのにとどまる。片手間で取引していて、24時間市場に張り付いている専業トレーダーに勝てますか? 勝敗は灯を見るより明らかです。ここに本業を持つ個人投資家が、なかなか短期売買で勝てない物理的な原因があります。物理的な前提条件に規定されているのですから、その段階でいくら手法や投資理論について語っても無意味です。本当の意味で短期売買に取り組むなら、専業トレーダーになるしかないのです。

そう考えると、サラリーマンなど本業を持つ個人投資家が執るべき投資戦略というのは限られてきます。コツコツ投資と長期投資しかありえない。まったく物理的にありえないのです。そして、あえて厳しいことを書くと、本業がありながら短期売買に集中している人は本業を疎かにしていると批判されても仕方ないのでは。だって、仕事というのは厳しいものであり、片手間でできるようなものではないはずだからです。真面目に仕事をしていれば、短期売買なんかできるわけがないのです。

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