三井住友信託銀行が年内に予定しているシティカードジャパンの買収後の社名を三井住友トラストクラブとすること発表していたことに今頃気づきました。
株式取得後のシティカードジャパン株式会社の新社名および役員人事に関するお知らせ(三井住友信託銀行)
クレジットカード会社としては、やや異色の社名となります。このあたりにも三井住友信託銀行のシティカードジャパン買収後の戦略が垣間見えます。
三井住友トラストクラブという新社名を聞いて、まずオッと思うのが社名に「カード」ではなく「クラブ」という言葉を入れたことでしょう。クレジットカード会社の社名としては、なかなか異色だからです。
ただ、シティカードジャパンの買収で三井住友信託銀行は従来のシティカードとダイナースクラブの事業を引き継ぐわけですから、わざわざ社名に「クラブ」という言葉を入れた意図は明確です。つまり、新会社の主力商品はダイナースクラブだということでしょう。そう考えると、なかなかいい社名なのかもしれません。
今後の焦点は、新会社でどのようなサービスを展開するかということですが、とくに気になるのが、これまでシティバンク銀行の提携カードとして発行してきたシティバンクダイナースクラブカードの行方。シティバンク銀行を決済口座にして一定以上の決済実績で年会費を無料にするなど強力なサービスを誇ってきたカードですが、シティバンク銀行のリテール部門は三井住友フィナンシャルグループに買収され、SMBC信託銀行のプエスティア部門となることが決まっていますから、三井住友トラストクラブとしては別グループ会社との提携カードを発行することはありえないでしょう。
かわりに三井住友信託銀行との提携カードが発行されるのかもしれません。そうなると、従来のシティバンクダイナースクラブカードを上回るサービスを用意できるかどうかが勝負の分かれ目になるのかもしれません。なかなか興味深い展開になりそうな予感です。