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2015年9月15日

三井住友AMがDC専用ファンドの販売を楽天証券で一般開放-低コスト競争は最終局面か

低コストインデックスファンドに関してビッグニュースが飛び込んできました。なんと三井住友アセットマネジメントが確定拠出年金(DC)専用ファンドを一般開放し、9月18日から楽天証券で販売を開始するとのことです。

楽天証券で最も低コストのファンドが登場!低信託報酬のDCファンドを一般向けに販売を開始(楽天証券プレスリリース)

販売が一般に開放された4ファンドは、ほとんどがDC専用ならではの圧倒的な低コストを誇ります。これによってインデックスファンドのコスト競争は、最終局面に入った可能性さえ出てきました。それにしても三井住友AMは思い切った手を打ったものです。さすが、フィデューシャリー宣言は伊達ではなかった。

今回、三井住友AMが楽天証券で一般販売を開放したDC専用ファンドは以下の4ファンドです。
三井住友・日本債券インデックスファンド
(NOMURA-BPI(総合)に連動)
信託報酬(税込):年0.1728%

三井住友・DC外国債券インデックスファンド
(シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)に連動)
信託報酬(税込):年0.2268%

三井住友・DC全海外株式インデックスファンド
(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)に連動)
信託報酬(税込):年0.2700%

三井住友・DC新興国株式インデックスファンド
(MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円ベース)に連動)
信託報酬(税込):年0.6048%
新興国株式インデックスファンドだけは平凡な信託報酬水準ですが、それ以外は通常の一般販売されているインデックスファンドシリーズと比べてまさに異次元の低コスト。おそらく現在の日本の投資信託のコスト構造上、はぼ実現可能な最低水準だと考えることもできます。また、全海外株式インデックスファンドは、その存在自体がユニーク。この低コストで日本を除く全世界の株式に投資できるのですから、非常に面白いファンドだといえるでしょう。

これだけ低コストだと、ETFと比較しても売買手数料や配当課税のことを考慮すれば、インデックスファンドの方が有利だとさえ言えます。当然、積立投資や分配金再投資の利便性ではインデックスファンドに軍配が上がります。もう、わざわざETFにリレー投資する必要もないかもしれません。三井住友AMのDC専用ファンドは、それほど強力な商品です。

今回、DC専用ファンドの一般開放という方法で極めて低コストな商品が登場したわけですが、これによってインデックスファンドの低コスト競争は最終局面を迎えたかもしれません。いまのところ販売は楽天証券のみ(三井住友・日本債券インデックスファンドはSMBC日興証券でも販売)ですが、これが他の有力ネット専業証券にまで開放されるようなことになれば、インデックスファンドの世界に大きな地殻変動を起こす可能性があります。

それは、これまで低コストなインデックスファンドシリーズとして業界をリードしてきた三井住友トラスト・アセットマネジメントのSMTシリーズや三菱UFJ国際投信のeMAXISシリーズなどが、競争力を完全に失うことを意味するからです。これだけコスト差があると、さすがに販路やラインナップの豊富さだけでは対抗できないのではないでしょうか。いよいよ信託報酬の引き下げを真剣に検討せざるを得ない局面に追い込まれる可能性がありますし、そうするべきでしょう。それは同時に、インデックスファンドのコスト競争が最終局面に突入したことを意味します。

また、他の運用会社もDC専用ファンドの一般開放という方法で対抗するかもしれません。そうなれば、インデックスファンドのコスト水準は、これまでとはまったく異なる次元に突入することになります。そういう意味でも今回の三井住友AMの動きは、業界全体に大きな動きを促す可能性がある。それほどの大ニュースということができるでしょう。

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