2015年8月29日

eMAXISシリーズの純資産合計が2,000億円を突破

三菱UFJ国際投信のインデックスファンドシリーズであるeMAXISの純資産合計が8月28日段階で2,000億円を超えました。2009年から運用がスタートし、純資産合計が1,000億円を超えたのは2014年8月でした。それからわずか1年でさらに1,000億円も資金流入があったわけですから、この数年の資金流入にいかに勢いがあったかをうかがわせます。投資信託という分野ではマイナーな存在だったインデックスファンドですが、だんだんと存在感が増していることを感じさせます。

eMAXISは、低コストなインデックスファンドシリーズの代表的ブランドとしてインデックス投資家の間では高い人気を誇ります。伝統的アセットカテゴリーのファンドだけでなく、新興国REITなど新しいカテゴリーに投資するファンドの組成にも積極的であり、最近ではコモディティなどオルタナティブ投資のインデックスファンドさえ用意しています。また、全世界株式インデックスファンド、各種バランスファンドなど投資家の細かなニーズに対応したラインアップを整備してきたことも資金流入拡大につながったのでしょう。

販売戦略の点では、ネット証券だけでなく地方銀行への積極的な販路拡大を進めてきたことも見逃せません。今後、インデックスファンドの販売競争において、意外と鍵を握るのは地方銀行のような気がします。また、ブロガーミーティングの開催など個人投資家との直接対話にも積極的なことや、ポートフォリオの達人など個人投資家参加型キャンペーンを積極的に行っていることもeMAXISに対する支持を高めるのに一役かっていると思います。

日本には単独で純資産総額1兆円を超える投資信託(ETFを除く)が複数ありますから、シリーズ合計で2,000億円というのは、まだまだ小さな数字です。しかし、どちらかというと地味な存在とされたインデックスファンドが、これだけの資金を安定して集めているというのは重要なことです。eMAXISとライバル関係にあるインデックスファンドシリーズのもう一方の雄、三井住友トラスト・アセットマネジメントのSMTインデックスシリーズの純資産合計も1,300億円を超えており、マザーファンドが共通の世界経済インデックスファンドを合わせると1,500億円を超えます。静かに、しかし確実にインデックスファンドを通じた投資が普及していることがうかがえますし、eMAXISは名実ともにその流れのトップを走っていると言えるでしょう。

今回、純資産合計2,000億円という大台を突破したeMAXISなのですから、三菱UFJ国際投信には今後、新しいチャレンジにも取り組んでもらいたい。というのは、これまで低コストインデックスファンドシリーズとして大きな存在感を発揮してきたeMAXISも、最近ではニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>シリーズなど、さらに低コストなインデックスファンドシリーズが相次いで登場したことで、少なくともコスト面での競争力を失いつつあります。実際に、新しく登場した低コストファンドに乗り換えるインデックス投資家も増えてきました。ここはひとつ、純資産合計が2,000億円を超えたの機に、eMAXISも信託報酬の引き下げを検討してはいかがでしょうか。私も受益者の1人として、そういったことも含めてeMAXISの今後に期待したいと思います。

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