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2025年2月24日

前月に続いて参考指数をアウトパフォーム―「iTrust世界株式」の2025年1月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ保有しているピクテ・ジャパンの低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2025年1月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2025年1月の騰落率は+2.31%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+0.24%でした。前月に続いて参考指数を大きくアウトパフォームしました。このため3カ月リターンでも参考指数を上回ることに。ようやく調子が上がってきました。

1月は米国の経済指標などが堅調な結果となったことで早期利下げ観測が後退し、上旬には株価も下落しました。ただ、12月の米国消費者物価指数の上昇圧力が緩和したことや、トランプ政権が発足直後は関税発動を見送ったことなどが好感されて株価も反発し、月間では上昇して終えています。業種別では、コミュニケーション・サービス、金融、ヘルスケアなどが大きく上昇しましたが、情報技術は下落しました。こうした中、「iTrust世界株式」の保有銘柄ではサーモフィッシャーサイエンティフィック(米国、医薬品・バイオテクノロジー)やローパー・テクノロジーズ(米国、ソフトウェア・サービス)などが堅調だったことで参考指数をアウトパフォームしています。

ここにきて運用が好調な「iTrust世界株式」ですが、市場の先行きに関してピクテは慎重な見通しを示しています。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」2月号によると、トランプ政権による関税の発動は長期的には経済成長にマイナスに作用すると見ています。現在の株価のバリュエーションも割高水準にあることも合わせて、株式への投資判断をニュートラルに引き下げ、一方でキャッシュはニュートラルに引き上げています。

それでも米国株に関してはオーバーウエートを維持するなど強気。米国経済の堅調が続いており、関税引き上げや移民規制厳格などによる経済へのマイナス効果で一部は相殺されるとしても、総じて企業の利益はまだ上昇するとの見通しです。どうやら“米国独り勝ち”の状況は当面続くというのがピクテの見方です。やはりAI技術などで他の国を圧倒していることなどが無視できません。中国のディープ・シークが低コストAIを開発したとされることでハイテク銘柄が一時的に売られましたが、安価で小型でありながら性能の高いAIモデルの開発への長期的な移行を促す公算が高く、それによって結局はAI需要の拡大につながると見ており、関連銘柄にとっては長期的にはポジティブという判断です。

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