サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2024年12月次運用報告書が出ていたので定例ウオッチです。12月の騰落率は+3.7%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+4.02%でした。純資産残高は12月30日段階で1716億円(前月は1673億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は8595億円(前月は8370億円)となりました。残念ながら12月も参考指数をアンダーパフォームしています。
12月は、円安や米国のハイテク株高につれて日本株も大幅に上昇しました。米国のインフレ鈍化が予想通りに進まないことで利下げへの期待が後退するなどもあって一時的に株価は上値が重くなりましたが、月後半にはトヨタ自動車がROE(自己資本利益率)目標を大幅に引き上げると発表したことなどが好感され、最終的には上昇して月を終えています。
こうした中、「ひふみ投信」も基準価額を大きく上げましたが、参考指数のTOPIXには12月も劣後しています。ここしばらくは大型株が株価を牽引する状況が続いていることから、ポートフォリオの20%強を中小型株が占める「ひふみ投信」にとっては、なんとか相場についていく展開ということでしょう。
いよいよ20日には米国でトランプ大統領が就任します。今後、実行されるであろう“トランプ政策”の影響が気になるところですが、「ひふみ投信」としては総じて株価にはプラス材料と見ているようです。とくに米国株は情報通信分野での規制緩和や独占禁止政策の緩和などビジネスフレンドリーな政策だからです。懸念となるのは関税引き上げなどによるインフレ高進でしょう。
また、日本株についても引き続き注目しています。トヨタ自動車のROE目標引き上げに代表されるように、資本効率の改善がさらに進むようだと、株価にとっても好材料でしょう。自己株消却やM&Aなど事業再編が進み、過剰資本が解消されれば長期強気相場になるとさえ見ています。
最高投資責任者である藤野英人さんは、2025年の運用に関して「株式、債券、為替環境も前回のトランプ政権時とは環境が異なる中において、非常に視界不明瞭ではありますが、政策が出てくることでひとつずつ状況を理解することができるはずです。慎重になりつつも楽観的な未来を見据えつつアンテナを張り巡らせながら、投資機会を探る年になる」と書いています。ここ数年は冴えない運用が続いている「ひふみ投信」ですが、2025年は巻き返しに期待したいところです。