2024年の日本の株式市場も今日30日の大納会で終わりとなります。今年もウクライナ紛争の長期化やパレスチナ情勢悪化、さらには日米ともに選挙があり、政策変更リスクが高まるなど先行き不透明な環境が続きましたが、紆余曲折はあったものの総じて相場は底堅く推移したように感じます。自分の資産状況を見直してみても2024年は資産が順調に増えた1年でした。知らない間に金融資産総額は5,000万円を超え、野村総研が定義するところのいわゆる“準富裕層”の仲間入りができました。今年1年間で資産がどれだけ増えたのか簡単に計算した上で紹介したいと思います。
例年と同様、資産管理に活用している「マネーフォワードME」を使って確認しました。あくまで簡便な計算なので厳密な数字ではありません。また、例によって具体的な金額は書きません。まず、リスク資産(個別株、投資信託<iDeCo含む>)と無リスク資産(普通預金、定期預金)を合わせた金融総資産は2023年12月末との比較で13.61%増となりました。今年は収入がそれほど増えていないのですが、リスク資産が前年同期比18.5%増となったこと全体を押し上げています。もちろん積立投資による追加資金投入がありますから、それを考慮したディーツ簡便法による年間パフォーマンスは15.28%増となりました。グラフで見ると次のようになります。
また、2024年は海外資産への投資が報われた年でした。要因は言わずもがな“円安”。このため日本株のウエートが大きい個別株よりも、海外資産のウエートが大きいインデックスファンドへの投資(iDeCo含む)が資産を押し上げてくれました。現在、日本は円安による輸入コストアップが物価上昇の要因の一つになっており、家計もダメージを受けているのですが、そのリスクヘッジとして海外資産への投資がいかに有効だったかということが分かります。
2024年も順調な運用ができたことで、現預金を合わせた金融資産総額はついに5,000万円を超えました。野村総研が言うところの“準富裕層”の仲間入りです。といっても特別なことは何もしていなくて、ここ10年にわたってひたすら個別株のバイ&ホールドとインデックスファンドの積立を続けてきただけです。それだけで、私のような氷河期世代の零細企業サラリーマンでも準富裕層になれるのですから、やはり適切な家計管理と無理のない範囲での投資を粘り強く続けていれば、それなりの資産形成が可能だということです。
また、これは昨年も書いたことなのですが、“インフレ時代における投資の意義”を改めて認識できたとも思います。世界的なインフレの波が日本にも及び、今年もあらゆるものの値段が上昇しました。多少の収入増では実質的な購買力は毀損されています。しかし、それ以上に投資によって資産が増えているため、インフレの打撃がかなり相殺されていることを実感します。
やはり資産運用というのはインフレによる購買力の毀損に備えるためにあるのです。もし投資していなかったら、今年もかなり緊縮の家計とならざるを得ず、QOLも大幅に低下したことでしょう。しかし、金融資産総額がインフレに負けずに増えていると、多少の値上げなど気にせずに必要なもの、欲しいもの、したいことにどんどんお金を使っていても、準富裕層の仲間入りです。
同時に、これこそが格差社会の実相でもあるので、空恐ろしい感じもあります。もはや現代において資産運用というのは、ある種の生活防衛手段なのだということです。単純に“儲ける”ことを目的とした運用ではなく、それこそ資産を、そして生活を守るために資産運用するのだということです。
まもなく2025年が始まります。来年は米国でいよいよ第2次トランプ政権が始まり、大きな政策変更リスクが懸念されており、大きな波乱があるかもしれません。だからこそ、引き続き“生活防衛としての資産運用”を続けていこうと思います。それが自分だけでなく家族の生活も守ることだからです。