2024年1月30日

引き続き日本株に期待―「iTrust世界株式」の2023年12月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ・ジャパンの低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2023年12月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の2023年12月の騰落率は+1.3%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+1.8%でした。参考指数を若干アンダーパフォームしてしまいました。さて、2024年が始まり、株式市場は総じて堅調ですが、依然としてピクテは先行きに関して慎重に見ています。そうした中、引き続き期待が大きいのが日本株です。

12月の株式市場は、米国の雇用統計が堅調だったことなどから米国経済のソフトランディングへの期待が高まるなどして総じて底堅く推移しました。業種別では、エネルギーを除くすべての業種が上昇し、とくに不動産、資本財・サービス、素材などの上昇率が大きくなりました。一方、生活必需品、公益事業、コミュニケーション・サービスなどは相対的に小幅な上昇にとどまっています。

比較的堅調なスタートとなった2024年ですが、ピクテは過度な楽観に警鐘を鳴らしています。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」1月号で現在の楽観相場は行き過ぎと指摘しています。同社の景気循環指数によると米国経済が先進国経済の成長の牽引役となる可能性は低く、1~3月には底をつく可能性があるそうです。

一方、期待が大きいのがスイス株と日本株。スイス株は収益力や財務基盤が盤石な高クオリティ企業が多く上場しており、日本株は引き続きデフレ脱却と企業改革の強化が株価の追い風となりそう。このためスイス株と日本株はオーバーウェイト推奨を継続しました。

日本人はあまり意識していませんが、依然としてグローバルな機関投資家の視線は日本株に注がれているということでしょう。日本では新NISAでも海外株式への投資が急拡大しているのと反対の現象となるわけですから皮肉なものです。ただ、海外投資家は国際分散の観点から日本株を買っているわけで、日本人がやはり国際分散投資の一環として海外株式に資金を振り分けるのと構造は同じ。やはり日本も含めて国際分散投資の重要性が一段と認識されていることは間違いなさそうです。

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