2023年11月9日

楽天投信投資顧問が「楽天・オールカントリー」「楽天・S&P500」の信託報酬を引き下げ

 

楽天投信投資顧問は、10月に設定した超低コストインデックスファンド「楽天+」シリーズの「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」と「楽天・S&P500インデックス・ファンド」の信託報酬を12月1日から引き下げると発表しました。


これにより両ファンドとも信託報酬はカテゴリー最安値を更新します。ここにきてインデックスファンドの低コスト競争が一段と激しくなっているのですが、“絶対王者”の感がある三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim」シリーズに対して楽天投信投資顧問も真っ向から挑む姿勢を示したことになります。

今回の引き下げによって、両ファンドの信託報酬(税込)は以下のようになります。変更日はいずれも12月1日です。

「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」
信託報酬:年率0.05775%→0.0561%

「楽天・S&P500インデックス・ファンド」
信託報酬:年率0.09372%→0.077%

両ファンドともかてほりー最安値のコスト水準となりました。また、楽天証券は「新NISA全力応援!投信残高ポイントプログラム」として特定ファンドをNISA口座で購入する場合、信託報酬の販売会社取り分相当をポイント還元するサービスを始めていますが、両ファンドともプログラムの対象ファンドとなります。このため楽天証券のNISA口座で購入する場合、実質的なコストはさらに低水準となります。

現在、インデックスファンドの低コスト競争は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim」シリーズが「競合ファンドが信託報酬を引き下げれば、それに追随して引き下げる」というマーケティング戦略の成功で高いシェアを獲得しています。これに対抗してるのは、自律的に既存ファンドの信託報酬を引き下げることで受益者から高い信頼を得ているニッセイ・アセットマネジメントと、ETFを活用した低コストファンドの組成に力を入れているSBIアセットマネジメントぐらいになっているのですが、これに楽天投信投資顧問が「楽天+」シリーズで割って入ることになり、今後の展開から目が離せなくなりました。

もちろん「楽天+」シリーズは10月に新規設定されたばかりなので、初年度の決算が出るまでは実質コストが不明という問題があります。設定初期は運用も不安定になりがちですから、すぐに飛びつく必要はないでしょう。それでも競争が進むことで個人投資家にとって、ますます有利な選択肢が増えるのは好ましいことです。とくに楽天証券で運用している人にとっては、両ファンドは極めて有力な選択肢となるのではないでしょうか。今後も注目していきたいと思います。

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