私がインデックスファンドの積立投資を中心に本格的な資産運用をスタートさせたのは2013年なので、今年で丸10年が経過したことになります。ひとつの節目ということで現在の資産を確認してみたところ、現金を除く金融資産は10年間で5倍以上に増えていました。恵まれた市場環境だったこともあり、投資の効果が十分に発揮できたわけです。あらためて10年前のあの日、行動を起こして良かったとしみじみ思います。
私は祖父から譲渡された株式を少しだけ持っていたことで子供時代から株式の保有に対しては何の抵抗もなかったのですが、自分が稼いだ資金を投じて新規に投資を始めようと思ったのは2012年頃です。いろいろと研究していた際、インデックスファンドの積立投資という方法があるということを知りました。そこで個別株と併用でインデックスファンドの積立投資を2013年から始めました。
それから10年間、個別株は割安感が出たときにスポットで購入し、インデックスファンドは淡々と積立投資するというやり方を続けています。市場環境にも恵まれ、資産は順調に増えていきました。マネーフォワードで見ると、次のような推移になっています(金額はカットしました)。
グラフの「株式(現物)」にはETFが含まれています。また、「年金」は個人型確定拠出年金です。マネフォワードを導入した2013年9月からの推移でも現金を除く金融資産は、途中にコロナ・ショックによる下落などを挟みながらも、じつに5倍以上に増えています。
こうして見ると、改めて投資のパワーを感じます。思い返すと10年前、日本でもアベノミクスによる株価回復が本格化していました。投資を始めるタイミングとしては最高だったわけです。しかしその時にも「今の株価上昇はバブル。すぐに暴落する」「今は投資を始めるタイミングではない」などといった意見を述べる人も少なくありませんでした。そうした中で、投資を始めるという行動に出た人は、この10年で素晴らしい成果を享受したわけです。
もちろん、これはあくまで結果論です。逆に投資を始めたことで、大きな損失を被った可能性もあります。しかし確実に言えることは、少なくとも「行動した人」にしか何らかの「結果」はもたらされないということです。これが投資という営みの本質です。
10年を経て、世の中の風景は大きく変わりました。デフレが当たり前だった世の中から、みんながインフレを心配する状況になっています。実際に物価上昇によって私たちの購買力は毀損され、資産の実質価値を低下しています。しかし、ここでも投資している人と、そうでない人の間には実感の面で大きな差が生じていることでしょう。投資している人は物価上昇によって日常の支出が多少増えても、それ以上に資産が増加しているのですから、インフレによる打撃の度合いが投資していない人とはまったく異なるのです。
資産運用を本格的に始めて10年という節目を迎え、改めて「あのとき行動して良かった」とつくづく思います。同時に、長期投資において10年というのは、まだ第1コーナーに差し掛かった程度に過ぎないとも言えます。今後も市場には様々な問題が起こるでしょう。大暴落があるかもしれません。それでも、引き続きコツコツ長期投資による資産形成・運用を続けてきたいと思います。良いことも悪いことも、「結果」は「行動」によってでしかもたらされないからです。