2023年3月31日

「eMAXIS Slim」が信託報酬を引き下げ―次は自律的な引き下げを見てみたい

 

すでに何人ものブロガーさんが報告していますが、三菱UFJ国際投信は低コストインデックスファンド「eMAXIS Slim」シリーズの8ファンドの信託報酬を5月11日から引き下げると発表しました。


先日発表されたアセットマネジメントOne「たわらノーロード」シリーズの信託報酬引き下げにすかさず追随しています。徹底して“業界最低水準の運用コスト”にこだわる姿勢は天晴れというしかありません。

信託報酬引き下げの内容は以下のようになっています。


これにより、いずれも「たわらノーロード」の信託報酬に並び、カテゴリー最安値を維持することになります。加えて、純資産総額に応じた段階料率が適用される「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は実質的な信託報酬が年0.11325%となり、「たわらノーロード全世界株式」の0.1133%を下回って単独でカテゴリー最安値を更新することになります。

あいかわらず“業界最低水準の運用コスト”にこだわるという戦略が徹底されており、その有言実行は見事としか言いようがありません。だからこそ個人投資家の支持を集め、いまやインデックスファンドの頂点に君臨しているのは当然でしょう。私も「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」を積立購入しているので、今回の信託報酬引き下げは非常にありがたいのでした。

その上で、あえて言いたいことがあります。「eMAXIS Slim」は日本のインデックスファンドの頂点に立っているのですから、ファンドそして運用会社としての姿勢でも業界の課題に対して先頭を切って取り組んで欲しい。それは、これまでのように他社に追随して信託報酬を引き下げるのではなく、自律的に信託報酬を生き下げること。そして、事実上同じファンドの割高な信託報酬が放置されているという“一物二価問題”の解消に取り組むことです。

ぜひ次は、そういった決断を見てみたい。それができれば、本当に三菱UFJ国際投信と「eMAXIS Slim」シリーズは、日本におけるインデックスファンドの頂点という地位が盤石になるでしょう。ぜひ期待したいと思います。

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