2023年3月27日

トリッカーズのカントリーブーツは一生モノ

 

すっかり暖かくなってきたので衣替えの準備を始めました。ブーツを履くのも、もうしばらくの間でしょう。愛用しているトリッカーズのカントリーブーツは購入して3年目が終わりましたが、ようやく足に馴染んできました。3年間履いて感じたのは、やはりトリッカーズは一生モノの革靴だということです。

トリッカーズのカントリーブーツ「ストウ」を購入したのは2020年でした。カラーは定番のシーシェード。もうひとつの定番色であるエイコンと迷ったのですが、やはりエイコンは色目が明るすぎスタイリングが難しい。そこで少しだけ濃色のシーシェードを選びました。ソールは日常使いを考慮してラバー製のダイナイトソールです。

初めてのトリッカーズだったのですが、実際に着用してみるとさすが英国王室御用達だけあって素晴らしい靴でした。まず堅牢さがずば抜けています。革は肉厚でありながら上質なカーフが使われているので、じつにしなやか。3年経っても革の張りがほとんど失われません。また、トリッカーズはソールの返りが固いことで有名ですが、これは感じ方に個人差があり、私の場合はそれほど気になりませんでした。

堅牢さと引き換えにかなり重量のあるブーツですが、不思議なことに手に持った時の重量感と履いた時の重量感がまったく異なります。履くと重さを感じることはほとんどなく、逆に靴の重量によって上げた脚が自然と前に出る。これこそ良い靴に共通する着用感であり、カントリーブーツという用途を考えると、じつに良くできているわけです。

ブーツは基本的に冬に履くことが多いので通常のドレスシューズよりは着用頻度は下がりますが、それでも3シーズンを経て、しっかりと足に馴染んできました。最初はちょっと窮屈さのある着用感でしたが、グッドイヤーウェルト製法の特徴であるインソールの沈み込みが起こり、フィット感がどんどん高まっています。

メンテナンスは着用前後に馬毛ブラシでブラッシングし、あとは2カ月に1度くらいの頻度でデリケートクリームとニュートラルの乳化性クリームを塗って磨き上げるだけです。シーシェードは色の経年変化が出にくいと言われていますが、それでも購入時(下の写真)のややのっぺりとした革の質感と比べると良い感じに革に表情が出てきました。こういった“革を育てる”のも本格革靴の楽しみです。


やはりトリッカーズは一生モノだと実感しています。そもそも本格革靴の魅力は、メンテナンスをしながら大事に使うことで良いモノを“長く楽しめる”ことに尽きるわけです。そして、長く愛用した革靴の方が履き心地が良く、外観も経年変化によってカッコ良くなる。たしかにそれなりの価格はしますが、一生モノなのでトータルでのコストパフォーマンスに優れるわけです。こうしたアイテムを購入することが“賢い消費”だと改めて実感しているのでした。

トリッカーズを買うなら並行輸入品が狙い目


さて、以下はトリッカーズが気になった人へのちょっとしたアドバイスです。トリッカーズは正規輸入品の値段が上昇していますが、ネットショップなどで並行輸入品がかなり売られており、これが安い。カントリーブーツの「ストウ」なら5万円台、短靴の「バートン」なら4万円台で購入できます。

なぜ並行輸入品がこれほど安いのかというと、そもそも日本の正規輸入品の価格がおかしいのです。英国のトリッカーズ公式サイトを見ると、2023年4月時点で「ストウ」の本国でのプロパー価格は500ポンド台、「バートン」は400ポンド台です。1ポンド160円としてもストウが8万円台、バートンが7万円台です。しかも靴というのは在庫リスクが大きく、トリッカーズといえども定期的にセールをしており、英国の公式アウトレットでは「ストウ」が300ポンド台、「バートン」が200ポンド台で販売されています。

だから、値上げ前に仕入れた日本の並行輸入業者が5万~4万円で販売しても不自然ではありません。実際に私が購入しているのも並行輸入品です。値上げ前は「ストウ」でもセールなら3万円で購入できました。今回購入した「バートン」は4万円台です。正規輸入品と比べて、品質になんら問題もありません。また、革靴は比較的偽物を作りにくいアイテムです。

ですから、ちょっとトリッカーズが気になった人は、まずは並行輸入品を試してみていかがでしょう(サイズ感が分からない人は、ちょっと申し訳ないですが、百貨店などで試し履きしてサイズを確認した上で、ネットで購入すればいいのです)。検索してみたところ、Amazonでもたくさん売られていますので、いくつかリンクを張っておきます。

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