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2023年1月29日

中国、新興国に好機か―「iTrust世界株式」の2022年12月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2022年12月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の12月の騰落率は-5.46%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-6.18%でした。大きな下落相場でしたが前月に続いて参考指数をアウトパフォームしています。2022年は株式にとって厳しい市場環境が続きましたが、それを象徴するような12月の結果です。ただ、ここにきてまたもや相場のキャラクターが変化しそうな予感もあります。

12月の株式市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が市場予想を上回る23年の利上げ到達点見通しを示したことや、欧州中央銀行(ECB)も大幅な利上げの継続が必要と示唆したことなどから景気後退懸念が強まり、11月に続いて下落しました。業種別では、一般消費財・サービス、情報技術、エネルギーなどが大きく下落しています。一方、公益事業やヘルスケアは上昇しました。

厳しかった2022年の株式市場を象徴するような結果となりましたが、やや風向きに変化もあります。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」1月号によると、2023年も引き続き株式のアンダーウェイト、債券のオーバーウェイトという推奨は継続していますが、「嵐の後の好機をうかがう」として、中国と新興国をオーバーウェイトに引き上げています。中国がゼロコロナ政策を撤廃したことで今後の経済回復が期待できるということでしょう。個人的には100%同意できない(中国経済の実態は、ゼロコロナ解除後もかなり悪い可能性がある)のですが、新興国に関しては個人的にも期待できると感じています。現地の情報を見ていると、かなり経済が正常化していることがうかがえるからです。

一方、これまでオーバーウェイト推奨だった日本株はニュートラルに引き下げられました。やはり事実上の金利引き上げがあって、いよいよ金融緩和からの出口の模索が具体化するとの思惑が強まっているからです。基本的に金利が上昇すれば株価には逆風。円高にもなりやすいですから日本株にとっては2023年は要注意の年になるのかもしれません。ただ、金利上昇局面でも株価が維持されたり上昇する企業は、それこそ“本物”なので、優良株を拾う好機になるともいえそうです。

いずれにしても2023年も難しい市場環境が続きそう。こういう時こそ、アクティブファンドらしい機動力のある運用で頑張って欲しいと思います。

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