2022年12月26日

来年も厳しい投資環境が続きそう―「iTrust世界株式」の2022年11月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2022年11月次運用報告書の定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の11月の騰落率は-2.15%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は-2.46%でした。下落相場でしたが前月に続いて参考指数をアウトパフォームしています。2022年もあとわずかですが、来年も厳しい投資環境になりそうな予感です。

11月は、米国の物価上昇にピークアウトの兆しが見えたことなどから世界株式は現地通貨ベースでは上昇したのですが、円高が進んだことで円換算での基準価額は下落しています。業種別では、素材、金融、資本財・サービスなどが大きく上昇しました。また公益事業も市場全体を上回る上昇でした。

さて、まもなく2022年が終わり、2023年が始まります。やはり来年も厳しい投資環境となりそうです。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」12月号によると、主要先進国・地域はいずれも既に景気後退局面に入っていると考えられ、企業業績もアナリスト予想を下回る公算が高まっているとか。このためピクテは2023年も当面は株式に対してアンダーウェート推奨を続けるとしています。

ただ、明るい材料もあります。ようやく世界的なインフレ高進にピークアウトの兆しが見えてきました。また、金融引き締めによって景気後退の懸念が高いのですが、これもそれほど深刻化しない可能性があるとか。というのも、特に米国は企業、家計ともにバランスシートが健全で、コロナ禍の時期に拡大した余剰貯蓄が景気後退の影響をある程度吸収できるとみているからです。また、銀行も信用供与を継続しており、2008年頃のグローバル金融危機時とは異なって、債務危機が訪れるような兆候は、今のところは見られません。

このためピクテは2023年を「投資家にとって警戒すべき年であると同時に、投資環境が徐々に正常な状態に戻る年でもある」と見ています。こういうときこそ、あまりあわてずに腰を落ち着けて市場に相対することが大切になるのでしょう。

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