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2022年12月8日

個人投資家の悪い癖

 

先日、カン・チュンドさんのブログを読んでいて、ハッとしました。

2021年の急騰相場で私たちが学べること(インデックス投資のゴマはこう開け!)

いかにもカンさんらしい穏やかな語り口ですが、ここには投資家、とくに個人投資家の悪い癖がはっきりと列挙されています。

上昇相場が続くと、どんな投資家もリスク管理が甘くなりがちなのですが、そういう「リスクの存在が希薄になる」という状態が、投資家にとって最大のリスクであるというカンさんの指摘は、まったくその通りだと思います。ちょうど1年前、(今から振り返ると)既に相場の変調の兆しは見えていたのですが、ほとんどの個人投資家はそれを軽視していました。そして、本当に下落局面が来ると慌てるわけです。

そして、全員が楽観に浸っているときに個人投資家の間に生じる「空気感」を、カンさんは見事に列挙してくれています。その中でも、とくにハッとさせられるのが以下の指摘です。
〇 投資をしている人が
投資をしていない人を(少し)軽蔑の目で眺める
これこそが投資家、とくに個人投資家の悪い癖です。悪気はないのでしょうが、言葉の端々に出てしまうから始末が悪い。そして、これの何が問題かというと、軽蔑の目で眺められた「投資をしていない人」から恨みを買うことです。すると、現在のような下落相場になると今度は「投資していない人」から逆襲をくらう。「投資なんかしているから損をするのだ」と嘲笑されるのです。こうして投資をしている人と、していない人の不毛な対立が続く。

投資というのは自己責任の原理が貫徹する世界です。これは自分の決断に対して責任を持つということですが、それは同時に他人の決断をも尊重することにほかなりません。だから、投資をしている人が、投資をしていない人をむやみやたらにバカにしたりしてはいけない。人にはそれぞれ置かれた立場の違いがあり、それによって決断の中身も異なって当然なのですから。

こういう当たり前のことに対して無神経になってしまうのが、上昇相場における「空気感」なのでしょう。そしていま、下落相場の中でそれに気づかされるわけです。そう考えると、下落相場こそが投資家にとってこれまでの言動を振り返り、反省する機会でもあります。これもまた「急騰相場で私たちが学べること」に違いありません。

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