2022年8月10日

牽引役不在のポートフォリオ―ひふみ投信の2022年7月の運用成績

 

サテライトポートフォリオで積立投資している「ひふみ投信」の2022年7月次運用報告書が出ました。7月の騰落率は+2.14%、参考指数であるTOPIX(配当込み)の騰落率は+3.72%でした。純資産残高は7月29日段階で1389億円(前月は1352億円)、ひふみマザーファンドの純資産残高は6861億円(前月は6658億円)となりました。7月も参考指数をアンダーパフォームする厳しい結果となりました。2022年に入ってから苦しい運用が続いており、ポートフォリオを見ても牽引役となる銘柄が見当たりません。

7月の株式市場は、景気減速懸念から上値の重い展開で始まりましたが、既にいろいろと悪材料が織り込まれていたことで月後半からは上昇に転じています。一部でショート筋の買戻しも影響したようです。このため「ひふみ投信」も久しぶりに上昇して月を終えたのですが、参考指数にはついていくことができず、アンダーパフォームが続いています。

あいかわらず苦しい運用が続いています。それはポートフォリオの中身にも表れていて、大型優良株が組み入れ上位を独占しています。よく言えば手堅いポートフォリオですが、見方を変えれば“凡庸”でもあります。まだまだ守りに徹しているということでしょうが、やはり「ひふみ投信」“らしさ”は感じられません。

こうしたジレンマは佐々木靖人ファンドマネージャーのコメントからも感じられ、いろいろと試行錯誤していることがうかがえます。ただ、「内需関連企業を中心に元気を取り戻しつつあると感じています。引き続き、次のヒーロー銘柄を発掘すべく、全力で調査運用に取り組んでまいります」という言葉が示すように、ポートフォリオの牽引役となる“ヒーロー銘柄”を発掘できるかが今後の運用を左右することになるのは間違いなさそう。それこそ「ひふみ投信」の“らしさ”です。

ファンドマネージャーが次世代に交代したことで、まさに過渡期にある「ひふみ投信」ですが、徐々に新しいカラーを出しながら、「ひふみ投信」“らしさ”を取り戻して欲しいと思います。

【ご参考】
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