2022年6月29日

「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」第5期運用報告書を読む

 

三菱UFJ国際投信の超低コストインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」の運用報告書が随時更新されました。各ファンドの全体的なまとめなどは他のブロガーさんに任せるとして、今回も自分が積立投資している「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」の第5期運用報告書を確認することにします。

第4期は“コロナ・ショック”からのV字回復で大幅な上昇となった「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」ですが、第5期(2021年4月27日~22年4月25日)は中国の不動産デフォルト危機や世界的なインフレ傾向など逆風もあって下落して終わりました。このためファンドの騰落率は-3.6%、ベンチマークであるMSCIコクサイ・エマージング・マーケット・インデックス(円換算)の騰落率は-2.9%でした。ベンチマークとの差異はマイナス0.7ポイントとなり、おおむねベントマークに連動した運用ができていることが確認できます。気になる費用明細上の実質コストは以下のようになりました。

信託報酬    0.187%
売買委託手数料 0.038%
有価証券取引税 0.031%
その他費用   0.107%
合計      0.363%

前期の費用明細上の実質コストは0.37%でしたから、一段とコストが低下しています。その他費用が若干増えましたが、売買委託手数料や有価証券取引税は前期実績を下回っています。期末段階での純資産残高が829億7600万円となり、前期期末の606億5600万円から大幅に増加しており、ファンドの規模が成長したことで運用効率が一段と高まったと考えられます。

新興国への投資は現地の資本規制や税制の関係上、どうしてもコストが嵩みがちです。その中で0.363%という実質コストは極めて低廉。純資産残高も順調に増加しており、マザーファンドは5月21日時点で2190億5900万円とこちらも順調に増加しています。このため今後も安定的な運用が期待できます。

運用の精度、ファンドの規模成長の安定性、低コストいずれの面でも非常に優れた実績となっており、やはり新興国株式に投資するインデックスファンドを選ぶなら「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」は有力な選択肢です。新興国株式に投資したい人には、文句なしで勧めることができるファンドでしょう。

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