2022年3月26日

バンガードのおかげで運用管理費が下がりました―2022年3月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績

 

SBI証券で運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の3月の買付(2月拠出分)が約定しました。インフレ懸念から米国の利上げが確実なところに、ロシアによるウクライナ侵攻という悪材料まで加わって不安定な相場となっていますが、ここにきてやや戻しており、iDeCoの評価額も回復してきました。おまけに一部ファンドの運用管理費が引き下げられました。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1085%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.058%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

累積損益率は3月25日段階で+38.8%となり、前月から少し増加しています。インフレ、米国の利上げ、ロシアによるウクライナ侵攻と相場に対してネガティブな材料が多いのですが、なんとか持ちこたえているという感じでしょうか。

さて、今回はもう一つ嬉しい知らせがありました。2月25日付でバンガードがETFの経費率(信託報酬)を引き下げたことで、バンガードのETFを組み入れたファンド・オブ・ETFsである「EXE-i新興国株式ファンド」と「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」の実質的な運用管理費が低下しました。

「EXE-i新興国株式ファンド」は「バンガード・FTSEエマージング・マーケッツETF」を組み入れています。このため従来は0.1095%程度だった投資対象ETFの経費率が0.1085%程度に引き下げられました。同様に「バンガード・FTSEオールワールド(除く米国)スモールキャップETF」を組み入れている「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」も投資対象ETFの経費率が従来の0.074%程度から0.058%程度に低下しました。

iDeCoは、運営管理金融機関がラインアップしている商品にしか投資できませんから、今回のような形でも運営経費が下がることが加入者にとって非常にありがたいです。まさにバンガードのおかげ。こういうところが、バンガードのETFを組み入れたFoETFsが人気となる理由です。引き続きiDeCoでも安心して保有を続けることができます。

【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。



iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』と大江加代さんの『最強の老後資産づくり iDeCoのトリセツ 2022年施行 法改正完全対応版』を挙げておきます。

 

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