2022年1月24日

先行きが不安なら落ち着いてリバランスを―2022年1月の個人型確定拠出年金(iDeCo)積立と運用成績

 

2022年の一発目となる積立投資です。SBI証券で運用している個人型確定拠出年金(iDeCo)の1月の買付(12月拠出分)が約定しました。2022年に入ってからなんとなく不安定な相場が続いており、先行きに不安を感じる人もいるでしょう。こういう時は、落ち着いてリバランスするのがiDeCo運用の有力な方法です。

SBI証券のiDeCoオリジナルプランで買付けたファンド・商品は以下の通りです(カッコ内は信託報酬)。いつも通りのポートフォリオとなっています。

【個人型確定拠出年金(SBI証券iDeCoオリジナルプラン)】
「三井住友・DCつみたてNISA・日本株式インデックスファンド」(0.16%)
「DCニッセイ外国株式インデックス」(0.189%)
「EXE-i新興国株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.1095%程度)
「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」(0.23%+投資対象ETF信託報酬0.075%程度)
「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」(0.14%)
「三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」(0.34%)
「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(0.27%以内)
「あおぞらDC定期」

累積損益率は1月22日段階で+37.8%となりました。最近の株価下落で過去最高水準からは低下が続いていますが、それでも十分に利益が乗った状態が続いています。今年でiDeCo加入10年目に入りましたが、資産がほぼ1.4倍になったわけです。なかなか順調だと思います。

ただ、今年に入ってから相場は軟調が続いています。世界的なインフレ傾向が鮮明になりつつあるため、各国中央銀行による金融緩和も縮小の方向の進みそう。そうなると、株価の先行きもかなり厳しいものになるかもしれません。

こういった先行き不透明な時は、落ち着いてポートフォリオの状況が確認するのが有効です。私の場合、毎年年初にiDeCoのポートフォリオの状況を確認しているのですが、昨年までの好調な相場が続いたことで株式のウエートが大きくなっていました。そこで今年は久しぶりにリバランスを実施しました。基本ポートフォリオ配分から大きくオーバーウエートしていた先進国株式を一部売却し、定期預金へスイッチングしています。

リバランスに課税コストがかからないところがiDeCoの利点です。また、iDeCoは運用期間が限られているので、やはり定期的にリバランスをして、ポートフォリオ内での「利益確定」と「ナンピン買い」を繰り返すことが安定した運用につながります。そして、受給時期が近づいてきたら、徐々にリスク資産のウエートを減らしていくのがセオリーなのです。

ですから、現在の株式市場の先行きに不安があるなら、ちょうどリバランスを実行するタイミングかもしれません。おそらく昨年までの堅調な相場のおかげで、まだたっぷりと利益が出ている状態でしょうから、その一部を確定するのは決して悪い判断ではないのです。

【ご参考】
iDeCoに加入する場合、金融機関によって手数料や商品ラインアップが異なることに注意が必要です。現在、iDeCoプランの選択肢としてお薦めなのは運営管理手数料が無条件無料で低コストインデックスファンドをそろえるSBI証券セレクトプラン、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行です。iDeCoへの加入を検討している人は、これら金融機関のプランを研究することをお勧めします。いずれもネットから無料で資料請求できます。⇒SBI証券確定拠出年金プラン楽天証券確定拠出年金プランマネックス証券確定拠出年金プラン松井証券確定拠出年金プランイオン銀行確定拠出年金プラン

iDeCoは公的年金を補完する制度ですから、これを活用する前提として日本の公的年金制度について勉強することを強くお勧めします。この点に関しては、権丈善一先生の『ちょっと気になる社会保障』が最良にして必読の入門書です。このほど、三訂版『ちょっと気になる社会保障 V3』が刊行されました。また、iDeCoも含めて現在の公的年金制度を徹底的に利用するための戦略書として田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』が非常に網羅的にまとめられていてお勧めです。家計管理から貯蓄・投資、公的年金やiDeCo・つみたてNISA活用までトータルに解説している竹川美奈子さんの『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』も老後資金について“自分ごと”として考えるための方法論を丁寧かつ詳細に論じた優れた入門書です。



iDeCoは制度がやや複雑なので加入を検討する場合は解説書を読んで研究することもお勧めします。大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』『シンプルにわかる確定拠出年金』田村正之さんの『はじめての確定拠出年金』大江加代さんの『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』などが優れた解説書ですが、最新の制度改正にも対応した入門書として竹川美奈子さんの『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』を挙げておきます。

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