5月もいよいよ終わり。今年は新型コロナウイルス禍のためGWも特にどこかに出かけるでもなく、平常運転でした。毎月の積立投資もやはり平常運転で、だんだんと話題にするほどでもなくなってきたのかもしれません。そう思っていたら、SNSで「S&P500への投資は、もはや貯金」という香ばしい言葉を知りました。こういったギャグが成り立つのは、やはり“SNSで投資は話題になるけれども貯金は話題にならない”という特性があるからでしょう。
今月も買付けたファンドはいつも通りです。
【特定口座(SBI証券)】
「ニッセイ日経225インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.25% 信託財産留保額:なし)
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.093% 信託財産留保額:なし)
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」
(信託報酬:税抜0.189% 信託財産留保額:なし)
「Funds-i新興国債券・為替ヘッジ型」
(信託報酬:税抜0.6% 信託財産留保額:0.3%)
「世界経済インデックスファンド」
(信託報酬:税抜0.5% 信託財産留保額:0.1%)
「iTrust世界株式」
(信託報酬:税抜0.89% 信託財産留保額:なし)
さて、SNS話題になった「S&P500への投資は、もはや貯金」という言葉ですが、こういったリスクの観点を無視した議論というのは上昇相場が続くとバリエーションを変えながら定期的に登場するので、これもまた“平常運転”と言えるでしょう。古参の個人投資家は、そういた事情がよく分かっているので、それこそある種のギャグとして楽しむことができます。
ただ、なぜこういったギャグが登場するのかというと、“SNSで投資は話題になるけど貯金は話題にならない”という身も蓋もない現実があります。つまり「貯金してます」と発言しても話題にならないけれども、「投資しています」と言うと注目される。ましてや「投資は、もはや貯金」と言ってしまうと、無茶苦茶な理屈だからこそ“バズる”ことが狙えるというわけ。そういうSNS特有の“遊び”です。
ただ、なかにはギャグを真にうける人もいるかもしれませんから、もうひとつ身も蓋もない話をします。インデックス投資だろうが個別株投資だろうが、古参の個人投資家のほとんどはリスク資産への投資とは別に、現預金や個人向け国債などを使ってガッチリと“貯金”しているのです。ただ、そのことはSNSなどではあまり話題にしないだけです。だって、話題にしたって盛り上がらないですから(だから、あえて貯金は大事だという正論を言うアカウントは良心的なのです)。
もちろん、個人投資家の中にもつねにフルインベストメント、あるいはフルレバレッジと言う人もいます(実際に私の友人にもいる)。でも、そういった人はかなり特殊な人なので、普遍性がありません。少なくとも普通の人の資産形成・運用の参考になるような再現性は望めないでしょう。
結局、リスクの視点を欠いた投資論というのは、基本的にギャグだと思って楽しむべき。そして、そういったリスク無視の投資論を持ち上げて煽る人こそ、じつはガッチリと“貯金”している人だったりするのが、SNSでよくあるもうひとつの身も蓋もない話だったりするのでした。