2021年5月30日

「SBI・V」シリーズに全米株式インデックスファンドと米国高配当株式インデックスファンドが登場

 

SBIアセットマネジメントが運用するファンド・オブ・ETF(FoETF)型インデックスファンドシリーズ「SBI・V」(6月15日付で「SBI・バンガード」から名称変更)から、新たに全米株式インデックスファンドと米国高配当株式インデックスファンドが登場します。設定日は6月29日。6月15日から購入募集を開始します。


今回もバンガード社のETFを通じて投資するタイプで、信託報酬はいずれに当該指数に投資するファンドとしては業界最低水準を更新します。米国株式への投資は人気が続いているので、注目のファンドとなりそうです。

今回、新規設定されるのは以下の2本です(カッコ名は税込み信託報酬)。

「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・全米株式)」(0.0938%程度)
「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・米国高配当株式)」(0.1238%程度)

「SBI・V・全米株式」は「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」、「SBI・V・米国高配当株式」は「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」への投資を通じて当該インデックスに連動した運用成果を確保するFoETFタイプとなります。VTIはベンチマークが「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」であり、投資対象は大型株・中型株・小型株合わせた約4000銘柄と幅広い点が大型株のみの「S&P500」と異なります。また、VYMは高配当な400銘柄で構成したもので、いずれも米国では人気のあるETFです。

「SBI・V」シリーズは既に「バンガード・S&P500ETF(VOO)」を通じてS&P500に投資する「SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド」を運用していますから、これに全米株式と米国高配当株式が加わることになります。投資対象としてVOO、VTI、VYMのどれを選ぶのかは投資家の好みの問題ですが、選択肢が広がることは良いことでしょう。

こうなると、気になるのは競合ファンドとの関係です。VTIとVYMに投資するFoETFとしては、既に楽天投信投資顧問が「楽天・バンガード・ファンド」シリーズから「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(信託報酬:0.162%程度)と「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」(信託報酬:0.192%程度)を出ています。しかし今回、「SBI・V」シリーズが「楽天・バンガード・ファンド」シリーズを下回る低コストを打ち出したことで、さらに競争が激しくなりそうです。

バンガードのETFはインデックス投資家の間でも絶大な信頼を得ていますが、実際に投資するとなるとやはり海外ETFのため若干のハードルがあります。その点、FoETF方式なら投資信託と同様にノーロードで買付でき、分配金自動再投資や自動積立も容易なので、利便性の面で大いにメリットがあります。デメリットは信託報酬が二重にかかることですが、今回のように低コスト化が進むことで、そのデメリットも小さくなっていきます。そういったことも含めて「SBI・V」シリーズは要注目のファンドになりそうです。

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