2020年7月23日

欧州株への期待―「iTrust世界株式」の2020年6月の運用成績



サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2020年6月次運用報告が出ていたので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の6月の騰落率は+2.18%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+1.65%でした。6月は参考指数を大幅にアウトパフォームする好成績となり、再び運用に勢いが出てきています。

6月は米国の経済指標が改善したことで株価も上昇基調で推移しました。新型コロナウイルス感染の再拡大の懸念から一時的に下落する局面もありましたが、月全体としては比較的好調な相場だったと言えそうです。業種別では、情報技術、一般消費財・サービスなどが上昇する一方、エネルギーや業績が景気の変動を受けにくい特性のあるヘルスケア、公益事業などのディフェンシブ・セクターは下落しています。

そうした中、「iTrust世界株式」の組み入れ上位銘柄を見るとファンドとしての戦略が明快です。上位3社にマイクロソフト、アルファベット、アップルとITやソフトウェア関連が並ぶ一方で、ロシュ、グラクソ・スミスクライン、塩野義製薬、アムジェンとヘルスケア銘柄も目につきます。これにVISA、ネスレが加わり、情報技術とヘルスケア、そしてインフラや食品といった生活必需品セクターでがっちりと固めた陣立てとなっています。“ウィズ・コロナ”時代のポートフォリオとして非常にストーリーが明確だと感じました。

「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」7月号もなかなか興味深いポイントが解説されていました。新型コロナによって企業収益の低下はほぼ確実とした上で「中央銀行は、景気浮揚のために、可能な限りの対策を講じるだろうということです。2つのうちのどちらが金融市場により大きな影響を及ぼすかを見極めるのが投資家に課された課題 」と指摘しています。やはりこれが今年の株式相場の最大の焦点でしょう。

さらに地域別では欧州株に期待を寄せています。ようやくロックダウンが一時解除され始めたことに加え、中央銀行による金融緩和の動きを好感しました。欧州株は依然として割安水準にあり、「欧州株式の上値余地が、米国株式の上値余地を上回る可能性があることを示唆」しているということです。「欧州復興基金」の設立による金融政策にも期待が寄せられています。

このため「テクニカル指標は、投資家の弱気心理が薄れ、売られ過ぎからニュートラルに転換したことを示唆」しているというのがピクテの見方。まだまだ難しい相場ですが、ちょっと希望も出てきたちうことでしょう。ぜひ現実もそうあって欲しいものです。引き続き受益者の1人として興味深くウイッチしていきたいと思いました。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランauカブコム証券確定拠出年金プラン

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