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2020年7月26日
後生畏るべし―パンデミックで変わるミレニアム世代のお金に対する考え方
スイスの金融機関、UBSの調査によると今回の新型コロナウイルスによるパンデミックによってミレニアム世代(1981~1996年の間に生まれた現在25~35歳の若者)のお金に対する考え方が大きく変わったかもしれないというニュースを見つけました。
パンデミックで習慣と戦略に変化…ミレニアル世代の投資家「もっと働かなければ」「貯蓄が足りない」(Business Insider)
記事を読むと、ミレニアム世代はじつにしっかりとした考えを持っているように感じられます。パンデミックという未曽有の危機を経験したことで若者も確実に成長しているわけで、やはり“後生畏るべし”なのです。
UBSの調査はアメリカ、イギリス、ドイツ、香港など15カ国から3750人以上の投資家を対象に行ったものです。調査対象は、保有する投資可能な資産額が25万ドル以上の25~30歳、50万ドル以上の31~39歳、100万ドル以上の40歳以上ですから、それなりの収入と資産を持った人たちとなります。
ミレニアル世代の74%が「パンデミックによりお金に対する考え方が変わった」と回答しており、71%が「パンデミックによる経済損失を埋め合わせるために、もっと働かなくてはならない」と感じているそうです。高収入だけれども、どちらかと言えば資産形成に関心の薄かった若者の意識が変わってるわけです。この動きは専門家の間からも指摘されています(「ロックダウンで貯蓄をすることを知ったミレニアル世代に新たな課題…以前のような生活に戻らないためにはどうしたらいい?」Business Insider)。
さらに興味深いのは、ミレニアム世代とベビーブーマー世代(56~74歳)で対照的な結果が出ていることです。いずれの世代も資産に大きな打撃を受けたにもかかわらず、ミレニアム世代の69%はサステナブル投資に「非常に興味がある」と回答し、60%が「慈善活動」を行いたいと回答しています。さらに34%はパンデミック中に「家族や友人への経済的支援を増やした」そうです。一方、こうした行動をしたと回答したベビーブーマー世代はわずか17%。
やはり孔子先生の指摘通り“後生畏るべし”なのです。パンデミックを経て、ミレニアム世代は確実に好もしい方向に考え方を変え、そして行動しようとしているわけです。これは欧米に限ったことではないでしょう。きっと日本でも今回のパンデミックをきっかけにお金にに対する考え方を根本的に変えた若者が少なくないのでは。
こうしたことを考えると、今回のパンデミックも単なる危機ではないと言えます。ある意味、危機こそ変革の契機。後から振り返れば、世界中の若者のお金に対する考え方が根本的に変わるメルクマールだったと総括されるのかもしれません。