2020年6月23日

日本株は先行きが改善―「iTrust世界株式」の2020年5月の運用成績



サテライトポートフォリオで少しだけ積立投資しているピクテ投信投資顧問の低コストアクティブファンド「iTrust世界株式」の2020年5月次運用報告が出ていたので定例ウオッチです。「iTrust世界株式」の5月の騰落率は+3.54%、参考指数であるMSCIワールド・インデックス(ネット配当込み)の騰落率は+4.59%でした。株式市場は“コロナ・ショック”からの回復が続いていますが、残念ながら5月は参考指数をアンダーパフォームしました。前月まで参考指数を上回る好調な運用が続いていましたが、やはり勝ち続けるというのは難しいものです。また、現在の堅調な株式相場に対してピクテは楽観を戒める一方、日本株の先行きは改善しつつあると指摘しています。

5月も引き続き新型コロナウイルス感染症のパンデミックがピークアウトしたことへの期待から株式市場は堅調な値動きとなりました。業種別では、情報技術、一般消費財・サービス、資本財・サービスなどが大きく上昇した一方、エネルギーは下落し、生活必需品、公益事業などは相対的に小幅な上昇にとどまりました。あいかわらずITやハイテク銘柄が強いですが、これが“ニューノーマル”ということでしょうか。「iTrust世界株式」も組入上位銘柄はIT・ハイテクとヘルスケアが中心となっており、“ニューノーマル”に向けた陣立てとなっています。

ただ、ピクテも現在の株式市況を楽観していません。「iTrust」シリーズの受益者に配信される機関投資家向けレポート「Barometer」6月号では「過度な楽観論には慎重な対応が必要」と指摘しています。確かに最悪期こそ脱しつつあるものの、感染拡大第2波への懸念や、多くの企業がソーシャル・ディスタンスを前提とした事業運営の再構築を迫られていることに注意が必要。「世界経済はV字型の急回復に向けた道筋を歩みつつあると考えるのは時期尚早」ということになります。

そんな中、注目すべきは「売られ過ぎのセクター」だとのこと。とくに「最も割安な市場の一つである日本市場の先行きが改善」していると見ています。「日本では、観光業の不振が国内消費の拡大に寄与したものと思われます。海外での消費が自宅での買い物に替わったからです」という分析はなかなか興味深い。また、「内閣も追加の景気刺激策として、1.1兆ドル相当の支出を承認しており、安倍首相は、これが実行に移されれば、景気支援策の総額はGDPの40%強に相当すると述べています」という点に注目しています。新規感染者も激減し、非常事態宣言が解除されたことも好感し、ここにきて日本株に対するアンダーウエート推奨を解消しました。

まだまだ難しい相場が続きそうですが、ぜひともこの調子で頑張って欲しいところです。

【ご参考】
ピクテ投信投資顧問の「iTrust」シリーズはネット証券を含む販売会社で購入できるほか、「iTrust世界株式」と「iTrust日本株式」は楽天証券やカブドットコム証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)プランにもラインアップされています。⇒楽天証券確定拠出年金プランauカブコム証券確定拠出年金プラン

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