2020年5月14日

インデックス投資家はホームカントリーバイアスから自由になっている



“コロナ・ショック”で不安定な相場が続く中でも、投資信託への資金流入が続いています。そのなかでも資金流入が顕著なのが外国株式インデックスファンドだとか。4月も大規模な資金流入となっているそうです。

存在感高まる外株インデックス・ファンド~2020年4月の投信動向~(ニッセイ基礎研究所)

こうした数字を見ると、すでにインデックス投資家の多くはホームカントリーバイアスから自由になっているのだということを改めて実感します。

記事にもある通り、日本籍追加型株式投信(ETFを除く)は4カ月連続の資金流入となっているのですが、4月は流入額が1500億円となり、3月からほぼ半減するなど勢いがやや鈍化しています。とくに国内株式ファンドや国内債券、外国債券ファンドは資金流出が目立ってきました。そんな中で気を吐いているのが外国株式ファンド。4月も1900億円の資金流入となり、このうち900億円はインデックスファンドが占めることになります。

こうした数字を見ると、インデックス投資家はもはやホームカントリーバイアスに囚われていないということがよく分かります。日本株への投資だけでなく、国際分散投資が当たり前になっているわけです。そして、これはインデックスファンドの活用法として本筋中の本筋。本来、海外資産へ投資というのは難易度が高いものです。ところがインデックスファンドを使えば極めて簡単に、そして低コストで海外資産に分散投資できる。これこそインデックスファンドの最大の利点でしょう。

ところで、いまやインデックス投資家の多くがホームカントリーバイアスから自由になり、外国株式を投資のコアに据えるようになったとすると、インデックス投資を批判する際にたまに登場する「インデックスと言っても、日経平均やTOPIXは長期的には上昇していない」という指摘が、いかに的外れなのかが分かります。どの国・地域の株式が上昇するのかは分からないからこそ、日本を含む国際分散投資としてインデックス投資が行われているのですから、「日本株の指数は上がっていない」という批判は、それこそインデックス投資家の間では“すでに終わった話”なのです。逆にインデックス投資を批判する人の方が案外とホームカントリーバイアスに囚われているように感じられるのは皮肉な現象でしょう。

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