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2020年4月6日
“コロナ・ショック”でも資金流入になるファンドは地力がある
“コロナ・ショック”で不安定な相場が続いています。こうした状況になると多くのファンドが資金流出に悩むようになり、それがファンドの命脈に止めを刺してしまうということがこれまでも繰り返されてきました。一方、現在のような暴落相場でも積立投資などによって安定的に資金流入となっているファンドというのは非常に“自力”があるということです。インデックスファンドをはじめ投資信託による運用というのは長期投資が基本ですから、こういう時こそ“自力”のあるファンドを確認できる好機でもあります。
投資信託の運用にとって最も怖いのは急激な資金流出です。とくに暴落相場でこれが起こるとまともな運用などできなくなり、それこそ繰上償還といった事態の陥りがち。逆に暴落相場でも安定的な資金流入があるファンドは、暴落相場も乗り切って安定した運用が可能になります。そういた安定的な資金流入として俄然、存在感を増すのが積立投資の資金です。モーニングスターによると「つみたてNISA」の2020年3月の資金流入は過去最大となったそうです。
つみたてNISAファンド、3月資金流入額は過去最高、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」などけん引(モーニングスター)
とくに注目は、資金流入を牽引しているのが「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」など超低コストインデックスファンドだということです。もうひとつ、別のデータを見てみましょう。ネット証券の3月の投信積立契約件数ランキングです。
ネット証券の投信積立契約件数ランキング20年3月、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が2カ月連続でトップ(モーニングスター)
ここでも上位には「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」や「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」など超低コストインデックスファンドが並びます。やはりこういったファンドは“自力”があるということです。
また、資金流入になっているのはインデックスファンドだけではありません。アクティブファンドでも「ひふみプラス」や「セゾン資産形成の達人ファンド」などはこの局面でも資金流入となっています。暴落相場になるとアクティブファンドの方が資金流出になりやすいのですが、やはり「ひふみプラス」や「セゾン資産形成の達人ファンド」といったファンドは受益者とのリレーションシップを重視してきただけあって“自力”があると言えるでしょう。
さて、新型コロナウイルスの拡大がさらに深刻なってきました。おそらく今後、もう一段強化された規制(非常事態宣言など)が実施される公算も高まっています。そうなれば株式市場はもう一段の下げがあって当然です。多くのファンドにとって正念場が続くでしょう。そんな局面だからこそ、ファンドの“自力”がますます重要になります。そしてファンドの“自力”の源泉は、やはり受益者とのリレーションシップにほかなりません。